人事部でなくても押えておきたい!1年間の人事スケジュール(法定関連編)

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人事・総務部であれば、毎日こなす当たり前の業務でも、
それ以外の部署に所属している人にとっては「何それ??」と思う人が多いと思います。
 
むしろ人事・総務部が何をやっているのか知らない人の方が多いのではないでしょうか。
(必要書類に記入してほいっとパスすれば、後は人事・総務部がやってくれる会社がほとんど!)
 
しかし、人事・総務部で取り扱われている書類はすべて自分に関係しています。
まかせっきりにしないで、今一度どういう意味や制度が裏にあるのか考えてみるのはどうでしょうか。
 
と、いうわけでまとめてみました。

 

4月 労働者名簿の作成・更新
社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入手続
5月 労働保険(雇用保険と労災保険)の年度更新
住民税の年度更新、通知書作成・発行
6月 社会保険(報酬月額算定、書類作成)
健康保険料・厚生年金保険賞与支払届作成・提出
7月 高年齢者雇用状況報告書作成・提出
障害者雇用状況報告書作成・提出
8〜9月 有給休暇の算定、付与
10月 年末調整(書類配布、書類回収、内容チェック、データ入力)
11月 給与総額・税収税額 集計
給与所得控除後の給与等 計算
過納額の還付処理
12月 「源泉徴収票」作成・発行
「健康保険料・厚生年金保険賞与支払届」作成、提出
1〜3月 就業規則の見直し、意見聴取、修正、変更届作成
通年 出産一時金・出産手当金・出産育児一時金請求書
育児休業取得者申請・終了書
育児休業給付需給資格確認票
雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
高額療養費支給申請書
健康保険傷病手当請求書
厚生年金保険保険者住所変更届
介護休業給付金支給申請書
療養補償給付たる療養の給付請求書
第三者行為災害届
労働者死傷病報告
休業補償給付支給請求書

 

4月

労働者名簿の作成・更新
社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入手続き

会社は労働者を雇用した際には、
労働三帳簿(労働者名簿・賃金台帳・出勤簿)を作成する必要があります。

労働者名簿とは?

労働者の情報(下記9項目)を記入して保管しておくもの。
なお、この名簿は各事業所ごとに作成する必要があるため、
本社以外に支店などがある場合はそれぞれで作成・保管しなければなりません。
ただし、日雇労働者はこれに含まれていません。

1.労働者の氏名
2.生年月日
3.履歴
4.性別
5.住所
6.業務内容(労働者の数が30人未満の場合は記載しなくてもOK)
7.採用の年月日
8.退職(解雇)の年月日とその理由
9.死亡の年月日とその原因

賃金台帳とは?

各労働者についての賃金計算に必要な項目(下記8項目)を記載したもの。
こちらは、上記の労働者名簿と違って日雇労働者も含まれます。

1.労働者の氏名
2.性別
3.賃金の計算期間
4.労働日数
5. 労働時間数
6.時間外労働、休日労働、深夜労働を行った時間数
7.基本給、手当その他賃金の種類毎にその額
8.賃金の一部を控除した場合はその額

出勤簿とは?

労働者の日々の勤怠を記録しておくもの。
形式は決まっておらず、労働者名簿や賃金台帳のように必須の記載項目はありません。
ただし、なんでもいいというわけではもちろんないです!
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」に記されている原則的な方法を守る必要があります。

使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。

(ア) 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
(イ) タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置(pdf)

なお、この労働三帳簿は、最後の更新から3年間保存の義務があります。

社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入手続きとは?

社会保険は法定16業種以外の個人を除き、被保険者に当てはまる人がいれば必ず入らなければいけない保険です。法人の場合、たとえ従業員がゼロでも、社長(事業主)が1人いれば加入する必要があるんですねこれが!また、パートやアルバイトなどの労働形態であっても、正社員の4分の3以上の労働時間になる人は被保険者になります。
手続きには人数分の書類が必要なので、人数の把握はマスト!

ちなみに加入日は「実際に働き始めた日」です。
試用期間があった場合、その後の正式採用日が加入日と
よく間違われやすいのですが、実際に働き始めた1日目が加入日になります。

 

5月

労働保険(雇用保険と労災保険)の年度更新
住民税の年度更新、通知書作成・発行

労働保険(雇用保険・労災保険)の年度更新とは?

前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付、
新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続き、のことです。

この更新手続きには期限があり、
毎年6月1日から7月10日までの約1ヶ月と9日の間に行う必要があります(※平成25年度現在)。
ちなみに労働保険の保険料は、

労働者の賃金の総額×事業ごとに定められた保険料率
で算出されます。
そして、この保険料を保険年度(毎年4月1日~翌年3月31日)ごとに概算で納付し、
賃金総額が確定する保険件度末に精算することになります。

この手続きが遅れると追徴金として10%課される場合があるので、
担当者はなかなか忙しい日々を過ごすことになります。

住民税の年度更新とは?

住民税の納付期間は毎年6月1日から翌年5月31日までです。
これにより毎年6月から金額が変わるため、この時期に更新手続きをする必要があります。

 

6月

社会保険(報酬月額算定、書類作成)
健康保険料・厚生年金保険賞与支払届作成・提出

社会保険(報酬月額算定)とは?

ここでいう報酬月額とは、基本給に役員手当や通勤手当など、
各種手当をプラスしたもの(※臨時支払いや賞与は除く)のことです。
この報酬月額を1等級(9万8千円)から30等級(62万円)までの30等級に大雑把に分け、
その等級に該当する金額(標準報酬月額)が年金額や保険料を決めるキーになります。

つまり、

保険料=標準報酬金額×事業ごとに定められた保険料率
年金額=在職中の標準報酬金額×再評価率を平均

ということになります。

こちらは原則として年に一度見直しをします。

 

7月

高年齢者雇用状況報告書作成・提出
障害者雇用状況報告書作成・提出

高年齢者雇用状況報告書・障害者雇用状況報告書とは?

毎年6月1日現在の高年齢者、障害者の雇用状況を
公共職業安定所を経由して、厚生労働大臣に報告することです。
「高年齢者雇用状況報告及び障害者雇用状況報告制度」という制度で定められています。

 

8月~9月

有給休暇の算定、付与

以下2つの条件を満たした労働者にはすべて10日以上の有給休暇を付与すると法律で定められています。

1. 6ヶ月継続勤務
2.全労働日の8割の出勤率

この出勤率の算定には、全労働日、出勤日などを明確にする必要があり、出勤日をどう扱うかなどは会社ごとの就業規則によります。

 

10月

年末調整(書類配布、書類回収、内容チェック、データ入力)

年末調整とは?

1年間に源泉徴収した税(所得税・復興特別所得税)の合計額と
1年間に納めるべき税の合計額を一致させること、です。
給与支払いの際に所得税・復興特別所得税の徴収が行われていますが、
この税の合計額は1年間に納めるべき税額とは限りません。
(たいてい多く納めていることがほとんどです)
こちらを一致させる手続きが年末調整です。

 

11月

給与総額・税収税額 集計
給与所得控除後の給与等 計算
過納額の還付処理

上記すべて年末調整の手続きになります。

 

12月

「源泉徴収票」作成・発行
「健康保険料・厚生年金保険賞与支払届」作成、提出

源泉徴収票とは?

年収と支払った税の合計額がわかる書類で、年末調整の結果が反映されたものになります。
年末の最後の給与や賞与の明細とともに貰っている方が多いのではないでしょうか? それが「源泉徴収票」です。

 

1月~3月

就業規則の見直し、意見聴取、修正、変更届作成

 

通年

出産一時金・出産手当金・出産育児一時金請求書
育児休業取得者申請・終了書
育児休業給付需給資格確認票
雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
高額療養費支給申請書
健康保険傷病手当請求書
厚生年金保険保険者住所変更届
介護休業給付金支給申請書
療養補償給付たる療養の給付請求書
第三者行為災害届
労働者死傷病報告
休業補償給付支給請求書

ん~見事に説明する気も失せるくらい漢字だらけですね^^
こちらもまた、順番に説明していきたいと思います。

いかがでしたか?

今回は法定関係にしぼってまとめてみましたが、人事・総務は他にも採用、教育・研修、人事考課、給与計算、異動、福利厚生、健康診断など、業務は多岐にわたります。
「自分の仕事」に追われると、見えなくなりがちなこの部分。でもすべては自分のことなんです!まかせっきりにしないでしっかり見てみると、おもしろいのではないでしょうか?