電通にみる! 過重労働をめぐる問題の根本的な対策とは?

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新聞やテレビなどで連日報道されている、電通で起こった「過重労働が原因の過労自殺」問題。2015年の12月、電通の社員寮から投身自殺した女性社員(24歳)について、2016年の9月に三田労働基準監督署が労災(※)を認定しました。
 

※労災とは……労働災害認定の略
業務に関わること、または通勤が原因となって労働者に負傷・疾病・障害・死亡が生じた場合、事業主側に補償の義務が発生します

 
労働行政によると、過労死のボーダーラインは「時間外労働80時間(1ヵ月)」と言われていますが、自殺した女性社員の残業時間は月に100時間を超えていたとされ、その是非について様々な意見が飛び交っています。
 
過重労働が原因のトラブルから、会社や社員を守るためには、どう対策を取ればいいのでしょうか。
 
 

企業側は部下の身体的・精神的健康状態を把握する

過重労働をめぐる問題が、まず起こらないようにするには、小手先の対策だけではなく、労働に関する根本的な考え方を変えることが必要だと考えます。
 
その重要な役割は、ミドルマネージメント(中間管理職)にあります。
例えば部長など、あるチームの上にたつ人は、自分のことだけではなく部下(特に新入社員)の肉体的・精神的な状態を、よく見て把握しておくことが大切です。
 
部下の成長を見越して、”その人のキャパシティを超えそうな仕事を行ってもらいたい”としても、精神的に参っている時に「早くやれ」「もっと頑張れ」と大量の仕事を押しつけてはダメです。ネガティブになっている時、仕事に対して悩みがありそうな時は、親身になって相談を持ちかけ、その不安感を取り除いてあげなくてはいけません。
 
逆に、どれだけ仕事に対してポジティブな精神状態にあっても、40度の熱がある人に仕事をさせるわけにはいけません。
 
要は、人間の肉体・精神両方の健康状態を把握することが重要なのです。肉体的に疲れている人に肉体的に負荷をかけるような仕事量を任せるのも、精神的に疲れている人に、一層気が滅入るような言葉をかけるのも、間違いです。
 
日頃から、愛情を持って部下とコミュニケーションを取っていれば、小さな変化にすぐ気付くはすです。逆に、このような心配りができないのなら、残念ながらその人はミドルマネージメントに不向きでしょう。
 
社内カウンセラーに任せきりにしないで、自分から社員と向き合いましょう。「体調は悪くないかな」「何か思い悩んでいないかな」と思える気配りが、ミドルマネージャーには不可欠です。
 
 

勤怠管理システムで社員が過重労働しすぎていないかチェック

どのくらいの仕事量を社員は辛く感じるのか。その価値観は千差万別です。結局のところ”何時間残業しているか”は、それほど問題ではないのです。時間外労働0時間でも辛い社員がいて、残業200時間を超えても平気な社員もいます。
 
サブロク協定や就業規則など、会社内のルールをきっちり運用し、勤怠管理システム上で、決めたルールとのギャップ(超過勤務)が確認できた際に、人事部が第三者として関与して、社員との話し合いの機会を持つなどすれば、電通も社員の命を失うことはなかったかもしれません。
 
まとめると、企業の使用者は「自分たちの時代はこうだった」と主観を押し付けるのではなく、社員1人1人の肉体・精神の健康状態を考慮してあげることが必要だということです。
 
そして、労働者自身も、仕事に対する考えをいつも明瞭にしておくことが大切です。自分の目的を見失わないで「頑張りの先に何が見えるのか?」、「自分は何のために頑張っているのか?」を意識していれば、思い詰めてどうしようもなくなる前に、何か別の答えが見えてくるはずです。
 
ほんの少し、自分の内側から労働に対する意識を変えていくだけでも、過重労働をめぐるトラブルの根本的な対策につながるのではないでしょうか。
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