S株式会社様は静岡県で建設業を営んでおられます。長時間労働が以前から頻繁に発生していたものの、建設現場での仕事という特性上、労働時間の管理を社員からの自己申告に委ねていました。
問題意識を抱える中で労働基準監督署より指摘が入り、勤怠管理システムの導入を求められたことで、今回ミナジンを導入いただきました。本日は経営戦略部の鈴木さん(仮名)にお話をお聞きしました。
入口は自己申告による労働時間管理と時間外労働の多発
勤怠管理システムの導入を決めた背景を教えてください。
鈴木様:恥ずかしながら、労働基準監督署(以下労基)に指摘されたためです。建設業という性質上、仕事現場は頻繁に変わります。従業員が一人一台のPCを持っているわけではないので、その日ごとの労働時間を申告してもらい、エクセルによって労働時間を管理していました。
残業が発生することもあったのでしょうか?
鈴木様:たびたび発生していました。弊社のような業界では天候不良よって作業に遅れが生じた場合、挽回のために時間外労働や休日出勤をすることがあります。超過分の労働時間も自己申告になっていたため、未払残業代への懸念もありました。以前から社内ではちゃんとした勤怠管理をしなければいけないという問題意識があったものの、どうしても対応が後手になっていました。そして今回、労基の監査が入り、ようやく勤怠管理システムの導入が正式に決定しました。
ベンダーと壁打ちを通じてシステムの要件を決定
システムの要件定義は大変だったのではないですか?
鈴木様:勤怠管理システムの使用が初めての経験だったため自分たちだけではシステムの要件が決められないと考え、まず複数社に問い合わせて話を聞きました。様々な営業担当から話を聞いていく中で、以下3点の要件が必要だということが見えてきました。
- スマートフォンによる打刻の可否
- システム使用における従業員への負担の少なさ
- 導入~運用時のサポート
1点目はスマートフォンによる打刻とのことですが。
鈴木様:従業員が一人一台PCを持っていない以上、毎日PCを介して打刻することは現実的ではありません。一方でタイムカードやピットタッチ(ICカードを専用の機会にタッチさせることで打刻ができる)ではその機械を現場ごとに持ち運ぶ手間が生じます。そこで、スマートフォンアプリによって簡単に打刻ができるのがベストであると考えました。
従業員への負担がいかに少ないかも重視されたのですね。
鈴木様:今まで勤怠管理システムを使用した経験のある人間がいなかったため、そもそも使用できるのか、使用できたとしても負担が大きければ定着しないのでは、という不安がありました。そこで、システムを使用する全従業員がいかに負担なく使用できるか、という点を重視しました。
サポートについても要件の一つに入っていたのですね。
鈴木様:会社の規模上、労務専任の人間がいないんです。どうしても自分たちだけでシステムを運用し、従業員に定着させられるかという不安があり、サポートを重視していました。システムの使用法だけならマニュアルを見れば分かるかもしれませんが、その背景にある就業規則などを踏まえた上で寄り添ってくれるサポートが理想だと考えていました。
選定の最重要項目はどれだけ少ない負担でシステムを使用できるか
選定軸の2点目である従業員への負担の少なさについて具体的にお聞きできればと思います。ミナジンのどのような機能を魅力的に感じていただきましたか。
鈴木様:現場の従業員は直接システムを使用することが少ないため、①承認者、②管理者それぞれにおいてシステム利用の負担が少ない点を魅力的に感じました。
①承認者
従業員が工場内の限られたPCを使用して都度残業や休暇を申請していればどうしても時間がかかります。そのため、承認者が部下の休暇や残業を代理で申請できることは必須要件でした。(代理申請)また、例えば作業の進捗が悪い場合、複数の部下にまとめて残業を命じることがあります。ミナジンでは個別の従業員ごとに残業を申請するのでなく、承認者から複数の従業員に対して、一括で残業を申請することが可能なため、少ない工数での運用が可能でした。(代理一括申請)もちろん代理で申請した休暇や残業に対して、従業員ごとに個別に承認していては余分に時間がかかります。申請は一括でまとめて承認できる点も魅力です。(申請の一括承認)また承認者が不在の場合、代理の者が承認できる仕様も便利だと感じました。(代理承認)


②管理者
一括締め管理者においては全従業員の勤怠の承認、月末の締めや集計が毎月の定常業務として発生します。締め作業を従業員ごとに行っていては相当な工数が発生します。従業員をまとめて、一括で締めれるのができるのが望ましいと考えました。(一括締め)
スマホアプリでのワンタップ打刻がすぐに浸透
最終的にミナジンに決定いただいた背景を教えてください。
鈴木様:ミナジンを始めとした複数社の営業担当との壁打ちを通じ、社内で上記の要件をまとめました。その時点でミナジンであれば目指している勤怠管理が実現できる、また労務屋として長年事業を展開されてきたことから経験、知識共に十分に信頼できると感じ、ミナジンに決定しました。正式決定後は導入コンサルタントの方との複数回の打合せを通じ、システムを即時使用開始できる状態まで伴走していただきました。
ミナジンを導入されたことにより、希望されていた勤怠管理は実現できていますか?
鈴木様:機能、サポート共に申し分ないと感じています。機能においては、ワンタップで完了するスマートフォン打刻が従業員にすぐ浸透し、ようやく客観的な打刻データが取得できるようになりました。かつ承認者、管理者ともに少ない負担でシステムを使用できており、想定よりも導入後の影響が少なかったと感じています。従業員からの問い合わせも全く発生しませんでした。サポートに関しても電話問い合わせ窓口を用意していただいており、こちらの意図をうまくくみ取って素早い回答を頂けているので、全く不満はありません。
最後に、同様の状況におかれた企業へのメッセージをお願いします。
鈴木様:どうしても労基対応って後手になってしまいがちなんですよね。しかし、早め早めに対応していくことが企業と従業員双方の未来を守るんだな、とこの経験を通じて感じました。知識や経験が不足していると感じて二の足を踏んでしまう方はぜひ、ミナジンに相談するところから始めてみてはいかがでしょうか。