N株式会社様は都内に本社を置く400名規模の広告代理店です。営業メンバーを中心に多くの従業員において長時間労働が恒常化する中、労働基準監督署(以下、労基署)からの勧告をきっかけにミナジンを導入いただきました。今回は、その経緯や導入後の変化を、労務部の中川様にお聞きしました。
退勤後のクライアント対応が頻発。労基からの指摘で客観的打刻が必要に。
勤怠管理システムの導入を決定した背景を教えてください。
中川様:労基署からの勧告が原因です。広告代理店という業界柄、長時間労働が恒常化していました。特に営業メンバーは退勤後にクライアントからの連絡を受けて作業を行うということが頻繁に発生していました。そんな折に労基署から、より客観的な労働時間管理を行うことを求められたことがきっかけです。
以前はどのような勤怠管理を行っていたのですか?
中川様:以前は他社のクラウド型勤怠管理システムを使用していました。システム上で打刻ができ、残業もシステムを通じた申請をルール化していました。ちゃんとした労務管理が出来ていると思っていましたが、そのシステムでは打刻時間と申請時間の差異が分からなかったため、その改善を求められました。
必須要件は打刻時間と申請時間の差異を保持できること。
システム選定にあたっての要件を教えてください。
中川様:タイムカードにおける打刻時間と申請時間の差異を取得し、客観的に労働時間を把握できること、かつ差異が生じた理由を記録できることです。勤怠管理システム自体は使用経験があったので、導入や運用のサポートに対してはさほど重視していませんでした。また以前の導入時は価格を抑えたためにこのような結果となってしまったため、コストがある程度高くても仕方ないと捉えていました。
打刻時間と申請時間の差異について、詳しく教えていただけますか。
中川様:以前使用していたシステムでは一度退勤した後の労働を後から申請すると、当初の打刻データが消えてしまいます。そうすると、何月何日にどの従業員に打刻と申請の差異が発生したのかを後から確認できず、退勤後の労働を容認するしかなくなっていました。本来の打刻時間を別に保持でき、かつ差異が生じた理由の記載を必須とできるのであれば、退勤後に時間外労働を行った従業員とその理由を把握できるため、労働状況の改善を図れます。
加えて従業員の労働時間に対する意識づけも行っていけると考えていました。
従業員の労働時間に対する意識づけとはどういうことでしょう。
中川様:後から修正しても本来の打刻が残るのであれば、従業員は不必要な時間外労働を減らそうという意識を持ちますよね。例えば、月末に36協定で規定された労働時間を超えたために後から本来よりも少ない労働時間を申請したとしても、本来の打刻時間は保持され、管理部が閲覧可能となります。そうすると、従業員も自身の労働時間に対する意識が高まります。つまり、とりあえず打刻するのではなく、いかに生産性を上げて労働時間を減らしていくかという姿勢に変わっていく訳です。仮にそれでも36協定を超えた労働時間が継続していた場合、上長が改めて業務配分やサポートを考えるきっかけにもなります。
打刻申請差異の確認において評価いただいたミナジンの機能はありますか。
中川様:まず打刻時間と申請時間の差異がある従業員を一覧からピックアップできる点です。打刻と申請の差異が一定時間を超える場合、申請時にその理由を記載しなければいけない点も魅力的でした。バックオフィスからも退勤後の業務が生じた理由を認識できるため、労働状況の改善に役立つと考えました。システム入れ替えのきっかけは労基署からの指摘でしたが、労働状況を改善し、従業員の意識改革を行っていきたいという思いは以前からあったため、それらの機能が後押しになると感じました。
客観的打刻の実現だけでなく従業員の意識改革が進んだ。
導入後の変化について教えてください。
中川様:客観的打刻を実現できるようになったことは言わずもがなです。が、それ以上に従業員の意識改革が進んでいる感じています。今までは退勤後に業務が発生した場合、当日中に対応する従業員が殆どでした。しかし、システム導入後はその時間外労働を私たちが把握できるようになったため、従業員からすると気軽には退勤後に仕事ができないようになりますよね。もちろん、緊急時もありますし0というわけにはいきません。しかし、以前と同じような働き方は減りましたし、営業メンバーはいかに退勤後の対応をなくすか、いかに業務時間内で仕事を完結させるかという意識で仕事に取り組むように変わったように感じます。
同業種企業へのメッセージをお願いいたします。
中川様:業界柄、退勤後の突発対応が発生するのは当然だと考えがちですが、会社としてはやはりそれを改善するべく取り組んでいく必要があります。今回、ミナジンを導入してみて気付いたのが、退勤後の労働時間は減らせるということです。もちろん、完全に0にすることは出来ないものの、従業員の意識を変えていくことで、本来やる必要のない突発対応は減らしていくことが可能です。突発対応は発生したものをどうするかというよりも、発生しないようにどのように準備をするかという姿勢の方が大事ですからね。同様の問題に直面されている企業様は、ぜひミナジンの話をお聞きになってみてください。