お客様企業とそこで働く従業員、さらにその家族の未来を守るというミッションを掲げるMINAGINEが、社労士のコミュニティの場として立ち上げたMINAGINE Lab。コロナ禍という状況にもかかわらず、日本全国の社労士から高い注目を集めています。

MINAGINE Labを立ち上げた背景と提供するファンクション、MINAGINE Labの会員となった社労士に期待することなどを株式会社ミナジン 代表取締役 佐藤 栄哲氏に詳しく伺いました。

中小・中堅企業の労働環境と労働生産性の改善を目指すMINAGINE


MINAGINEを立ち上げるまでの経緯をお聞かせください。
会社を経営している両親の影響もあり、幼少の頃から実業家になる夢を持っていました。大学生のときには将来の事業の勉強という想いから、広告代理店のような学生ベンチャーに参加。その後、大学3年生のとき、大阪の「花と緑の万博博覧会」に出展されているお客様から、パビリオン運営スタッフの学生派遣を依頼されたことがきっかけで、当社の前身であるアルバイトスポット派遣(請負)会社を創業しました。

人材サービス事業で蓄積できたのは、採用・育成・定着・労務管理など「人事」全般の知識と経験。このノウハウを人材サービスという枠組みに留まらず、より多くの企業に提供できないかと思案していたとき、ふと目に止まったのが中堅・中小企業の現状でした。

バブル崩壊以降、日本は年功序列型賃金から能力成果主義にシフトしつつありますが、こうした社会経済の変化に対し、スムーズに対応できていないのが中小・中堅企業の現状。その理由について私は、人事部がある大手企業とは違い、中小・中堅企業には人事部もしくは人事の専門家が存在しないケースが多々あるからだと考えました。

人事が正しく機能していなければ、日々の業務に追われてしまい、過重労働やサービス残業などが日常化しやすくなります。結果的に従業員は疲弊しモチベーションを失い、会社は求心力を失うことになるでしょう。これでは会社も従業員も幸せにはなれません。そこで我々の人事に関するノウハウを労務管理のボトムに合わせ、コンプライアンスと社内ルールに基づいてサポートしていけば、中小・中堅企業の労働環境および労働生産性は改善できるのではと思いました。

そこで、社外の「人事部サービス」というコンセプトのもと立ち上げたのが、MINAGINE(みんなの人事部)事業。MINAGINEはお客様企業とそこで働く従業員、さらにその家族の未来を守るというミッションを掲げ、人を中心とした会社づくり・社会づくりに携わっていきます。

労務士の地位向上を目指す労務士コミュニティの場がMINAGINE Lab


新たに立ち上げたMINAGINE Labの概要をお聞かせください。
現在、当社は勤怠管理システムの提供・運用サポートおよび人事業務のアウトソーシングを主な業務として展開していますが、今後はたくさんの社労士とともに、より多くの中小・中堅企業をバックアップしていきたいと考えています。そのために立ち上げたのが、社労士コミュニティのMINAGINE Labです。

なぜ「たくさんの社労士とともに」と考えたのでしょうか。
最大の理由は労務士の地位向上です。HR Techが進むなか、保険手続き代行などをソフトウェアがリプレースするようになり、1号・2号の社労士業務は減少傾向にあります。社労士の大半は1人でやられている先生が圧倒的に多いので、不安を抱えながら業務をされている方も多いと聞いています。

社労士の役割、社会的に担うべきミッションが大きく変化している現在、人事・労務の業務に携わらせていただいている当社としては、そうした労務士の現状を見過ごすことはできません。そこで、たどり着いたのが「一人で悩まず、社労士の経験を共有し知見として自身の社労士業務に役立てられる場」の提供です。横の関係性を円滑に築けるコミュニティ、それがMINAGINE Labというわけです。労務管理のプロフェッショナルである社労士の知見が結集すれば、未来を守る新たな日本の労務管理スタンダードが生まれるかもしれません。

間違わないでいただきたいことがひとつあります。それは、MINAGINE Lab会員の社労士は、当社のお客様ではないということ。企業と企業で働く従業員、そしてその家族・子たちの未来を守るための当社にとって大事なパートナーなのです。当社がサポートしている客様の労務管理の課題を、MINAGINE Lab会員の社労士と一緒に解決していくことできればと思っています。

実際、規模や業態により、どうしても当社のシステムを活用するのが難しいお客様がいます。システムを活用するには専門知識が必要ですし、仮にデータが蓄積できたとしても使いこなすには、やはり専門知識が必要になってくるので、そこは法律の知識を持った社労士の力が必要になってきます。

MINAGINE Labで当社のインフラを理解するとともに、それぞれの労務士が持つ知見を共有することができれば、自ずと労務士は地位向上していくと考えています。

3号業務とIT活用ノウハウの知見を提供


MINAGINE Labが提供するファンクションをお聞かせください。
具体的には、図のようなファンクションを提供しています。日本で最も売れている就業規則解説本の著者として著名な岩崎仁弥先生のサロン、勤怠管理システムを活用した労務管理の実務セミナー、人事・労務分野の知識習得講座など、3号業務とIT活用ノウハウの知見を提供するとともに、コワーキングススペースや交流会を通じた社労士同士のコミュニティ形成も支援していきます。また、MINAGINE Labで知見を習得された社労士の方には、当社から顧問先の企業を紹介させていただきます。

3号業務に携わるプロフェッショナルな労務管理コンサルタント


MINAGINE Labの社労士に期待することは何ですか。
一番は知見です。作業の部分はIT化を推進しシステムを開発していけば、自ずと効率化は図ることができます。また、労務の一般的な知識、法律の解説・解釈などは研修やセミナーで習得が可能です。しかし、「労務トラブルを解決する」「労務トラブルになりそうな芽を摘んでいく」ようなコンサルティングの領域は、労務士の知見が必要になると考えています。

例えば、パワハラ問題の解決を依頼されたとします。この場合、パワハラ当事者に関することだけでも「年齢」「ほかの従業員との関係性」「結婚の有無」「子どもの有無」など、さまざまな事実確認をしなければなりません。しかも、経営者の考え方や企業のカルチャーによって判断基準は大幅に異なるため、共通の模範回答はありません。

こうした答えを出すのが難しいところは、3号業務に携わることができる労務士、すなわちプロフェッショナルな労務管理コンサルタントが頼りになりますが、総合的に判断し会社も当事者も納得する解決ができなければ禍根が残ります。つまり、ここで役立つのは「経験を通じて蓄積してきたノウハウ」であり、それこそが知見。その知見を共有する場がMINAGINE Labというわけです。

MINAGINE Labの会員になられた労務士の方は、ぜひMINAGINE Labで知見を共有・習得していただき、プロフェッショナルな労務管理コンサルタントとして活躍することを期待しています。

オンラインに切り替えて会員も順調に増加中


MINAGINE Lab立ち上げから現在までの稼働状況はいかがですか。
コワーキングスペースを含むMINAGINE Labの拠点を2020年の3月に開設したのですが、ご存知の通り、コロナ禍で当初のスケジュール通りに進んでいるとは言えない部分はあります。実際、お披露目パーティや著名人によるセミナーなどはすべてキャンセルとなりました。しかし、MINAGINE Labの存在は、我々の中長期戦略のメインストリームに位置付けており、引き返す理由はありません。

そもそも当社は、勤怠管理システムなどのSaaS事業をローンチした半年後にリーマンショックがあり、売上の6割がなくなるという経験をしてきました。そのときも、SaaSは事業の柱と考えていましたから、横道にそれることなく事業を推進。結果、SaaS事業は当社の柱として重要なポジションを担っています。そういう意味では、コロナ禍でもMINAGINE Labを推進していくことに変わりはありません。

コロナ禍以降、MINAGINE Labはどのような活動をされてきたのですか。
セミナーはすべてオンラインで行っています。もちろん、当初は不安もありましたが、ビジネス界全体がオンラインに慣れてきたこともあって、現在はまったく不安も問題もありません。2週間に1回開催している岩崎サロンでは、先生を囲んでのディスカッションやオンライン飲み会も実施しているようですね。好評を博していると聞いています。

コワーキングスペースの利用に関しては、マスク着用、検温の義務付け、人数制限、除菌、換気など、徹底した新型コロナウイルス感染防止対策を行っています。コンテンツの見せ方こそ変わりましたが、プレミアム会員は順調に増えています。

パートナーとして期待するからこその徹底サポート


なぜ無料のスタンダード会員と有料のプレミアム会員があるのでしょうか。
すべてのコンテンツを無料で提供できればベストですが、プロフェッショナルな労務管理コンサルタントとしての知見を高めるコンテンツを提供し続けていくには、大きな費用が発生してしまいます。その分の負担軽減をプレミアム会員にお願いするスタイルですね。

もちろん、プレミアム会員が難しいようでしたら、まずはスタンダード会員からのスタートでも構いません。セミナーやメルマガ配信だけでも、社労士としてベースとなる知識のレベルアップは可能かと思います。ただ、コンテンツを通じて少しでも当社の想いに共感していただけるなら、プレミアム会員をご検討ください。我々も次世代を担うプロフェッショナルな労務管理コンサルタントの力が必要なので、徹底サポートいたします。さらに当社としては、顧問先紹介などを通じて社労士業務に還元できたらと思っています。

認定コンサルタントの資格を準備されていると伺っています。
前述したように、当社の勤怠管理・人事評価システムを多くの企業の方に使っていただくためには、社労士の力が必要だと考えています。実際、多くの企業から社労士を紹介してほしいという要望をいただいています。

ただ、当社も自信を持って紹介したいと考えており、そうなると一定の基準が必要になります。そこで、インフラ理解度の基準として認定コンサルタントを設ける予定です。現在のところ、認定コンサルタントの枠組みや要件は準備中ですが、インフラについてはセミナーや勉強会などを通じて習得することができます。

なお、認定コンサルタントに該当すると判断したプレミアム会員の社労士の方には、すでに顧問先を紹介済み。当社のパートナーとして活躍されています。当社としては、こうしたパートナーがたくさん増えていくことに期待しています。

当社と社労士が一緒になって、皆が幸せになれるルールづくりを支援


最後、全国の社労士に向けた期待の言葉をお願いします。
私は若い頃、あまりにもワーカーホリックだったため、人生において苦い経験もしてきました。今は仕事も家族・子供・親、プライベートも全部ひっくるめ、人生トータルでいかに幸せになるかが大事という境地。人それぞれにさまざまな事情があり、環境も状況も生き方も異なるわけですから、結局はベースとなる家族やプライベートの部分が充実していなければ、仕事には集中できないと思うようになりました。

当社は労務管理の領域を基軸に、人それぞれの生き方、つまりダイバーシティを許容できる社会づくりに貢献したいと考えています。もちろん、ダイバーシティに取り組む企業は増えてきていますが、性別や人種、年齢といった形から入るところが大半。本来のダイバーシティとは生き方の多様性のはずですから、コンプライアンス遵守を前提に企業のカルチャーに沿いつつ、企業と従業員、その家族が幸せになれるルールを整備していくのが我々の役目となるでしょう。

当社が掲げるミッション「お客様企業とそこで働く従業員、さらにその家族の未来を守る」を実現するためには、多くの社労士の力が必要です。社労士の皆様、MINAGINE Labでお待ちしています。

MINAGINE Lab
MINAGINE Lab(ミナジンラボ)とは、「知識から知見へ!」
「3号業務に携わりたい」と悩める社労士に向けて「知見へのアップデート」と「IT活用ノウハウ」を提供し続ける社労士限定のコミュニティです。