給与計算にアウトソーシングが効果的な理由!


給与計算をアウトソーシングする企業が増えています。確かに給与計算は手間がかかる上に専門的な知識も必要です。アウトソーシングすることで、どのような効果が得られるでしょうか。業者の選び方も紹介します。

給与計算におけるアウトソーシングの利用率

給与計算のアウトソーシングは、バブル景気が崩壊して業務の効率化を求められ始めた2000年あたりから注目されるようになりました。それまでも税理士や社会保険労務士が専門業務を委託されたついでに引き受けていましたが、その頃から給与計算を専門とする代行業者が増えています。

現在では約2割程度の企業が、給与計算をアウトソーシングしているといわれています。欧米では半数以上の企業がアウトソーシングしており、まだまだ少数派です。

けれども、最近では業務の効率化に加えて人材不足も懸念されています。今後給与計算をアウトソーシングする企業は、ますます増え続けるでしょう。

アウトソーシングを依頼できる業務は?

給与計算には様々な業務があります。毎月の給与計算や年に数回の賞与計算、年に一度の年末調整や住民税徴収額の更新、明細書の発行などです。給与計算を専門とする代行業者の多くは、これらの全部または一部をアウトソーシングできます。

業者によっては給与計算に付随する社会保険料の支払いや納税、勤怠や有給休暇の管理、労務や社会保険に関する業務のアウトソーシングも可能です。

業務を受託する際は、企業から就業規則や給与規定をヒアリングし、希望に応じてアウトソーシングする範囲や料金を決めます。各企業に応じたカスタマイズにも柔軟に対応してくれるでしょう。

給与計算アウトソーシングに関する利点と注意点

では、給与計算をアウトソーシングすると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

利用により生まれるメリット

給与計算をアウトソーシングすると、それまで業務に携わっていた人員を、本当に集中させたい業務に回すことができます。例えば人事担当者であれば採用や教育、労務管理です。

また、給与計算の業務は月によって作業量が変動します。忙しいのは年末調整や賞与、住民税の徴収額更新があるときくらいです。多忙な時期に合わせて人員を確保すると、それ以外の時期に余ってしまいますし、逆に暇な時期に合わせると業務が集中して残業する羽目になってしまいます。そのたびに人件費が変動するため、見通しが立ちません。

人件費以外にも、給与計算にシステムやソフトウェアを導入していれば、毎年の更新料が発生します。システムを作動させるパソコンの保守も必要になるでしょう。

アウトソーシングすれば、作業量による人員の変化は業者側で対応してくれるので、無駄な人件費が発生するのを防げます。予算の見通しも立てやすくなるでしょう。もちろん、システムもソフトウェアも不要で、保守の費用もかかりません。

他にも、給与計算においては社会保険料や税金、労働法などの専門知識が必要になります。これらは覚えるのが大変ですし、頻繁に改正されるので、最新の情報にアップデートするのも一苦労です。もし対応できていないと、法令違反になる恐れがあります。

それでいて多くの企業では、給与計算のプロフェッショナルを育成する手間をかけられないのが実状です。そのためにマニュアルを作成するのも手間がかかります。たとえ育成したとしても休まれてしまったら業務が回りません。退職されると一からやり直しです。

給与計算の代行業者は専門家ですから、十分な知識があり、改正事項にも迅速に対応できます。ヒューマンエラーを防ぎ、より正確に給与を支給できるわけです。また、1つの業務を複数人で受け持っているので、誰か一人の不在で業務が回らなくなる心配もありません。

利用における注意点

一方、給与計算の中でアウトソーシングできる業務の範囲には限りがあり、一部については引き続き自社で対応しなければいけません。そのための人材を確保しなければならないですし、業者と業務が重複して二度手間になる可能性も考えられます。

連携がうまくいかないと、間違った計算をされたり、社員の昇給に対応できなかったり、就業規則や給与規定の変更が反映されなかったりするかもしれません。

また、給与計算のノウハウが自社に蓄積されないため、万が一アウトソーシングできなくなると、自社で対応できるまで時間がかかるのがリスクです。それで、あやふやな給与支給をして、後に差額調整が相次ぐと、従業員からの信頼を失ってしまうでしょう。

そもそも、給与計算の専門知識を持つ従業員が誰もいないのは考えものです。業者に間違った計算をされても見落としますし、従業員から給与に関する質問があっても答えられません。

もう1つ懸念されるのがセキュリティの問題です。給与計算業務をアウトソーシングするときは、従業員の個人情報を業者に渡します。年齢や家族構成、勤続年数などによって給与の計算方法は変わるからです。最近ではマイナンバーを必要とする業務もあるでしょう。当然、自社で管理するのと違って外部に漏洩する恐れがあります。

プライバシーマークやISO27001など、情報セキュリティマネジメントの認証を取得している業者を選ぶと安心です。

給与計算のアウトソーシングは確かに便利ですが、従業員の人数によっては自社で対応したほうが良い場合もあります。計算はもちろん、勤怠管理との連携も難しくないからです。Excelだけで給与計算や勤怠管理ができる場合もあります。先述のとおり、付き合いのある税理士や社会保険労務士が安価で引き受けてくれるかもしれません。

アウトソーシングの費用は従業員を雇うよりもずっと安上がりですが、自社で対応できるのに導入するのは無駄になってしまいます。本当に必要なのか慎重に検討したいところです。

100人以上の従業員がいたり、経理が給与計算を兼ねていたり、より正確な給与計算が必要だったり、人材不足で悩んでいたりするなら、給与計算のアウトソーシングを利用する意義はあるでしょう。

アウトソーシング先を選ぶときのポイント

給与計算の代行業者を選ぶときは、まず代行してくれる業務の幅を確認しましょう。単に給与計算だけのところもありますし、勤怠データの収集や住民税の異動届出まで引き受けてくれるところもあります。できればカスタマイズが可能で、必要な業務を過不足無く代行してもらえるのが理想です。特に、〆切まで必要書類が提出されなかった場合の督促有無と、その対応、報告方法を確認しておくと、アウトソーシングをしてから、話が違ったとならないので、よく確認しましょう。

その上で確認したいのが料金体系です。多くの業者では、基本料に従業員の人数による料金を加算したものが月額料金になります。相場は従業員100人で、10万円前後です。賞与計算や年末調整をするときは、月額料金を2倍にする業者もあります。そこに追加する業務によってオプション料金が発生する仕組みです。

業者の実績も確認しておきましょう。豊富であるほど、企業の希望や独自のルールに柔軟に対応してもらえる可能性が高くなります。専門性にも期待できるでしょう。

また、窓口となるスタッフの質も重視したいところです。基本的な教育がなされているのはもちろん、意思の疎通が十分にできるか見極めましょう。何かあったとき、すぐに連絡が取れないようでは困ってしまいます。

導入にあたってヒアリングを行う業者であれば、やり取りをしている間に大まかな雰囲気をつかめるでしょう。そこでアウトソーシングを依頼するか判断しても遅くはありません。

まとめ

給与計算をアウトソーシングすると、限られた従業員を重要な業務に集中させられるようになり、コストの変動もなくなって費用の見通しが立てられるようになります。一方で連携がうまくいかなかったり、従業員の個人情報が漏洩したりするリスクがあるので、実績があって信頼できる業者を選びましょう。