有給はエクセルで管理可能なのか?年次有給管理簿の注意点とは


働き方改革法案が成立し、法改正により2019年4月から年次有給休暇が10日以上の従業員は、年5日の有給休暇を取得しなければならなくなりました。職場に対する配慮やためらいなどを理由に、取得率が下がっている状況を改善することが目的です。

万が一、取得日数が5日に満たない従業員がいた場合、30万円以下の罰金に処せられます。この違反は、労働者ごとに成立すると考えられており、理論上、5日間の有給休暇を取得させなかった対象者が50人であれば、1500万円以下の罰金まで科される可能性があります。

確実な有給休暇取得の管理が求められています。今回は身近なツール、エクセルでの有給管理について解説します。

有給管理をエクセルでするメリット・デメリット

エクセルを使って有給休暇の管理を行う、メリットとデメリットを紹介します。

メリット

1.初期費用がかからない
エクセルでの有給管理には端末や備品が必要ありません。普段使っているパソコンにエクセルがインストールされていればすぐに始めることができるため、初期費用がかからず導入がしやすいという点があげられます。

2.誰でも扱いやすい
エクセルは普段の業務で使っていることが多く、導入直後から誰にでも扱いやすいという特徴があります。また既存のテンプレートをつかう、数式を入力してオリジナルの仕組みを作るなど、カスタマイズしやすいというメリットがあります。

3.自社にあったテンプレートがあればすぐに導入できる
インターネット上には、数式があらかじめ入力してあるテンプレートが数多く公開されています。自社に合うテンプレートを見つけることができれば、すぐにでも運用を開始できるという利点があります。

デメリット

1.従業員がリアルタイムで確認できない
エクセルは複数の端末から同時にアクセスすることができないため、複数の人間が確認をすることができないというデメリットがあります。その都度人事担当者に問い合わせる必要があるため手間がかかってしまうといえます。

2.ヒューマンエラーを起こしやすい
エクセルでの有給管理は、機械による自動入力ではなく、人の手による入力が必要なためヒューマンエラーが起こりやすいという点があげられます。

3.法改正のたびにフォーマットの調整が必要
今回のような法改正は今後も起こる可能性があります。そのたびにエクセルのフォーマットを調整するという手間がかかるのは、担当者にとって大きな負担となります。

4.個人情報流出の不安
エクセルファイルの保存方法によっては、誰でも従業員の個人情報にアクセスできるようになってしまうため、個人情報流出の恐れが出てきます。

エクセルで有給管理できるシートを紹介

メリットとデメリットを理解したところで、エクセルを使って有給管理ができるテンプレートをご紹介します。

Officeの有給休暇管理表

Microsoft Officeが提供している「有給休暇管理表」というテンプレートを紹介します。スタッフの希望を受けて有給休暇を入力すると、自動で有給の残日数が計算される仕様になっています。また取得日をカレンダーに入力しておけば、いつ誰が有給休暇を取っているのかをわかりやすく管理することができます。

bizocean(ビズオーシャン)

用途に合わせたさまざまなエクセルのテンプレートを掲載しているbizocean。勤怠管理表の種類も豊富で、出退勤を管理するだけのシンプルなものもあれば、残業時間を計算できる機能があるもの、勤怠管理と給与計算を連携したものも紹介されています。

エクセルで有給管理する際の注意点

次にエクセルで有給管理する際に気を付けるべき注意点を解説します。

管理すべき内容をしっかり記載する

1.有給休暇の付与日を基準日にする
従業員に対して、有給休暇を付与した日の日付を基準日として記録することが必要です。前年度分の有給休暇が繰り越されたことによって基準日が2つある場合は、両方の基準日の記録が求められます。

2.有給の日数
従業員が取得した有給休暇の日数を有給休暇管理簿に記録します。取得した有給休暇が半日であった場合も、取得した回数がわかるように記録する必要があります。なお企業によって独自に設けられた休暇制度や時間単位で取得した有給休暇は、記録の対象ではありません。

3.有給を取得した日付
従業員が実際に取得した有給休暇の日付を「時季」として年次有給休暇管理簿に記載する必要があります。

有給休暇の付与日数に関するルールを理解する

1.アルバイトやパートの付与日数
アルバイトやパートタイム労働者であっても、年次有給休暇は付与されます。下記のとおり、労働日数に応じて比例的に算出された日数が付与されることになっています。

2.年5日の年次有給休暇取得の義務
平成31年4月以降、年次有給休暇が年10日以上付与される従業員は、かならず有給休暇取得から1年以内に5日の有給休暇を取らなければならなくなりました。

有給休暇の取得数が5日を下回っている場合、企業側は該当の従業員と相談の上、5日に達する日数の有給休暇を取得させる必要があります。

それでも有給休暇の取得がなされない場合は、企業側が取得時季を指定し、該当の従業員を休ませなければなりません。

入社後半年に満たない従業員や一部のパート・アルバイト従業員は対象外ですが、フルタイムで働く従業員のほとんどがその対象となります。

もしも、年次有給休暇が10日以上の従業員が、年5日以上の有給休暇を取得していないことが発覚した場合、企業側には罰則が科せられます。その罰則は「30万円以下の罰金(あるいは6カ月以下の懲役)」。

なおかつ企業のイメージダウンは避けられず、書類送検された場合にはハローワークからの助成金を受けることもできなくなります。

エクセルでの有給管理は複雑!もっと簡単に管理する方法

エクセルでの有給管理は導入しやすいという利点があるものの、いろいろなデメリットがついてまわります。そこで勤怠管理システムの利用をおすすめします。

勤怠管理システム

勤怠管理システムなら従業員の人数に関係なく、管理者の負担を軽減することができます。従業員が打刻した勤怠のデータを自動で計算し集計することが可能です。エクセルでの勤怠管理では手作業だった入力・集計作業がすべて自動化。担当者の工数を大幅に削減することができます。

またエクセルでの管理では起こりやすかった打刻漏れやヒューマンエラーによる入力ミス、不正入力などが起こりにくく客観的な勤怠管理が可能になります。

有給の取得日数や残数などもチェックが簡単。そのようなメリットから有給管理を勤怠管理システムで行っている企業が増えています

勤怠管理システムなら、登録したすべての休暇について付与日や付与された日数、取得日数や残日数が一覧で表示されます。それらを従業員本人が確認することができるため大変便利です。

まとめ

エクセルによる有給管理は導入がしやすい反面、ヒューマンエラーが起こりやすく従業員本人による確認が難しいため運用に相当の負担がついてまわります。

しかし勤怠管理システムを使えば、手作業による勤怠の入力やデータ集計が全て自動。担当者の負担を大幅に減らすことができます。また入力ミスや打刻漏れが起こりにくいという利点もあります。

法改正が行われ従業員の有給管理を確実に行う必要がある今、勤怠管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。