INTERVIEW

語る

第3号業務は工夫次第で効率化ができる!

社労士を目指したきっかけについて教えてください。

大学卒業後に司法試験を受験したのですが合格にはいたらず、父が経営していた印刷資材販売の会社に入社しました。でも、その業界も需要が下がり始め、何かやらなくちゃいけないという状況になった。そんなとき、知り合いが社会保険労務士という試験があるよと教えてくれた。以前法律の勉強をしていたし、自分には向いているのではと思いチャレンジしたんです。2回目の受験で合格し社労士として活動を始めました。

現在のお仕事へは、どういう経緯で?

資格を取ったからといって、すぐに仕事があるわけではありません。そこで、受験時に勉強していた日本マンパワーで、独立開業講座をやっていたので受けてみました。勉強会にも参加しているうちに、人事労務のコンサルティングをしている会社と縁があり、2005年に入社しました。現在もそこの一員としてコンサルティング業務を行い、独立した個人の社労士法人も2018年に作りやっています。

社労士法人では、主にどんなお仕事をされているのですか?

関与していた会社がもともと大手の監査法人と組んでいたので、顧客先は中小企業や個人経営者というより、教育研究機関の労務系の仕事がメインです。だいたい、継続的に40~50案件を抱えていますね。社団・財団法人や途中から民間化した法人などが多く、完全に労働法の世界だけれど、公務員法も片目で見ながら労務関係のコンサルティングを行っています。

社労士業界の現状についてはどう思われますか?

第1号、第2号業務といった申請・手続き業務が社労士の独占業務とされているけれど、時代の流れの中でIT化、システム化が進み、社内でできる部分も増えてきている。第3号業務を伸ばさなければまずいと、みんな危機感を覚えていると思います。でも、コンサルティングの比重を高めたいと考えても、第1号、第2号業務を中心にやってきたなかで、すぐに対応するのは難しいなという感覚を持っている人は多いと思います。

後藤先生ご自身はいかがでしょう。

私はもともとコンサルタントが向いていたので、ずっと第3号業務ばかりをやってきた。申請書類の作成や助成金関係の業務はしていないので、むしろそちらにコンプレックスがあるんです。ただ、それもやった方がいいかなとは思うけれど、専門的にやると作業量が増えるので職員を増やさないといけない。その点、コンサルティングは工夫次第で労働生産性をあげられるので、仕事が10倍になっても人は増やさずに生産性を上げることができます。だから、こちらの方がいいかなとは思っています。

MINAGINE Labに入会したきっかけを教えてください。

実はミナジンの名前は知らず、システム屋さんかな、くらいの感覚でした。何かで岩崎サロンを1回無料で受けられることを知り、その流れで登録しました。サロンを受講し懇親会に参加した後、ミナジンの担当者さんから連絡があり、コワーキングスペースがあることを知り、今の事務所から近いので興味を持ったんです。
ちょうどその頃、コロナ禍で仕事がテレワーク化していた。会話もなく一人で黙々と仕事するのも寂しいので、いろんなコワーキングスペースを転々としてたんです。人がいると仕事しにくいという方もいますが、私は適度に人がいるほうが仕事しやすいタイプなんです。今までのコワーキングスペースなら、周りは知らない人ばかりだけれど、MINAGINE Labなら社労士さんが集まるということで、興味を持ち見学に行きました。

MINAGINE Labに来てみて、どんな印象でしたか?

コワーキングスペースはウッディな感じで、とても落ち着く雰囲気だったので気に入りました。また、1年縛りもないし、2、3か月でやめるのもありかなと軽い気持ちで入会しました。結果、今も続いて通っています。月に5、6回は来ていますね。また、来てみたら岩崎サロンに知り合いの社労士がいることもわかりましたし、ラボにはミナジンの担当者がいるので、社労士の業務に関する話や、システム、IT系の話もできるのでいいですね。

セミナーにも積極的にご参加いただいていますね。

セミナーは、ChatworkやGoogleの使いこなし方、金融の専門家による融資の話など、社労士業界ではあまり企画しないような内容が多く、バリエーションも豊かです。これはミナジンならではですね。私はコロナ過の社会になる前から、情報をクラウドで一元管理してテレワーク・ワーケーションがしたかったんですよ。温泉に行きながら仕事することを目指していましたし実現できていました。このコロナ禍で、情報があればオフィスに行く必要がないことを世間が自覚し始めた。こうなったことは、良かった一面だと思っています。

ITで生産性を上げていくのが楽しい

先生はいち早くITリテラシーを学び、仕事に取り入れていますね。

仕事以前に、ITツールを使ってちょっと便利にするのが好きだったんですね。コロナの前から総務省や厚生労働省がテレワークを推進していたから、情報を積極的に収集しながら、IT系のセミナーや行政、企業がやる勉強会に参加していたんです。ガイドラインや通達をいち早くチェックして引き出しに入れておいて、案件が来たときに、必要な情報をいち早く先方に提示できることが大事だと思っています。その作業が10時間かかるものをいかに2時間でやるかに喜びを感じるタイプなんです。(笑)

具体的にはどのように情報収集して管理されているのですか?

基本的に厚生労働省が出してる文献、書籍、通達集、ガイドライン、法律になる前の審議中の内容、学者が書く書籍ですね。これらの資料を裁断機で切って、スキャナーで取り込んでEvernoteに入れています。いわゆる “自炊”ですね。こうすれば、複数の書籍や文献から横断的に同時検索するOCR検索ができる。10年前は関連書籍をボストンバックに入れて持ち歩いていたけれど、今はパソコンで一括管理です。検索キーワードから複数の情報を集めて自分なりにまとめて、お客さんへのアウトプットや提案をしています。

MINAGINE Labへ何かご要望はありますか?

ミナジンは、全国に会員がいるのが魅力なので、「Sococo」(ソココ)のようなバーチャルオフィスを構築するといいと思いますね。仮装空間にアバターがいて、横のつながりができると楽しいと思います。休憩室や食堂があり、いつ誰がいて、いつなら声をかけてもいいかがわかる。また、それぞれの得意分野やプロフィールもわかれば、障害年金に詳しい人にこれを聞こうとか、自分以外の専門分野の話も聞ける。北海道から沖縄まで、各地の会員さんがちょっと話を聞きたいときに集まれる空間があるといいと思います。独立したら社労士同士のつながりは社労士会のほかは意外とないし、会社で働いていても社内の人間関係に偏りがちです。これからの社労士は地域限定ではなく地域を超えて活躍できると思いますから、地域ごとの特性や傾向も踏まえつつ、距離を感じない情報交流ができるといいのではないかと思います。

これからの社労士はどうあるべきと思いますか?

世の中の変化が激しいから今までのとおりで満足しないことが大切ですね。私も、毎年3月になると、契約が続行されるかどうかハラハラしています。(笑)毎年どうすべきか、対策は考え続けていますね。とくに若い人はITだけでなく、いろんな新しいことを吸収しておくべきだと思います。

社会保険労務士法人 人事労務研究機構
後藤 俊彦 先生

民間企業を経て、2002年社労士試験合格・翌年登録、2006年特定社労士付記。人事労務のコンサルティングを中心とする。就業規則の作成・改正業務のほか、ある事案が発生した場合に、自社の就業規則ではこうなっています、法令ではこのように規定されています、行政の通達、解釈、ガイドラインではこうです、裁判例としてはこのようなものがあります。さて、発生した事案にこれら規範をあてはめると、解決策としてはA案、B案、C案とあります、考えましょう、というような仕事が多い。中央大学法学部法律学科卒。