建設業向け勤怠管理システム・アプリ10選|2024年法改正の影響は?

さまざまな業種の仕事がありますが、毎日暮らしている家や仕事をするオフィスを作る建設業の重要さは今も昔も変わりません。決まった仕事場ではなく、建設現場で仕事をすることが多い建設業の場合、条件に合う勤怠管理システムでの記録が便利です。また、2024年の法改正の影響もあり、建設業の勤怠管理が変わろうとしています。そんな建設業におすすめの勤怠管理システムを紹介します。

建設業の勤怠管理の課題|2024年法改正の影響は?

2024年4月から、建設業においても時間外労働の上限規制適用が始まります。この法改正適用により、今まで以上に正確な勤怠管理が必要とされています。ですが、建設業は勤務形態が多様であり、従業員の多くが事業所ではなく作業現場で業務を行います。そのため、出勤簿やExcelを利用した自己申告制での管理が常態化しているのが現実です。

このような状況が続くと、不正はもちろんですが残業代や休日出勤などがあっても正確に記録されず、その分の給料が支払われないということになりかねません。

今は自己申告制の勤怠管理は原則禁止されていますが、タイムカードやパソコンの履歴などを活用した、客観的なデータからの情報が必要です。そこで、スマホやパソコンが普及した現代だからこそ、勤怠管理システムの導入で、事業所の中にいなくても打刻ができる環境を作る必要があるのです。

建設業が勤怠管理システム・アプリを導入するメリット

どの業種でも勤怠管理システムやアプリを導入していることが増えましたが、建設業ならではのメリットもたくさんあります。どんなメリットがあるのか詳しく紹介します。

1. 直行・直帰でも正しく勤怠管理ができる

現場によっては、業務メモや日報などで勤怠管理をしているケースもあるかもしれません。まとめて報告するという手法では、正確な時間を忘れてしまったり、報告内容に不正があったりするという問題が生じてしまいます。

勤怠管理システムなら、簡単に打刻ができるのはもちろん、インターネットを通して報告ができるのでどこで業務をしていたとしてもすぐに送信ができます。また、スマホからの打刻に対応していたり、GPS打刻機能がついていれば現場で打刻をして直帰することも可能なので、従業員にも管理担当者にも嬉しいシステムです。

2. 従業員による不正や打刻漏れが防げる

不正打刻は給与計算が正確にできなくなるトラブルの1つです。本当は働いていないのに、仕事をしたことになってしまっているのは大きな問題です。そんな不正を防止するために利用できるのが、GPS打刻対応の勤怠管理システムです。スマホやタブレットなどで出勤時刻と退勤時刻を打刻できるだけではなく、打刻時に位置情報も送信するため、その時間にどこにいるのかがわかり不正を防止できます。

インターネットを活用した新しいスタイルの勤怠管理です。この機能を利用することで、正確な打刻と不正防止ができ、事業所にいなかったとしても従業員の正確な勤務時間が把握できるようになります。

3. 労務管理・シフト管理の業務効率化につながる

建設現場は、少しでも早く作業を進めるために、シフトを組んで業務を行っていることもあります。その場合、管理担当者は勤怠管理はもちろんですが、シフト作成業務も行わなくてはなりません。従業員の休み希望を全て反映させたシフトを作るのはなかなか困難で、苦手としている担当者も多いです。

シフト作成・管理機能が搭載されている勤怠管理システムを利用すれば、建設工程や内容に合う人員配置が適切にでき、週休二日制度や残業時間の上限にも対応したシフトの作成が可能です。条件を入力すれば自動でシフトが作成されるので手間もかかりませんし、業務効率アップにつながります。

建設業向け勤怠管理システム・アプリの選び方

勤怠管理システムと一言で言っても、いろいろなシステムがあるので、合うものを選ばなければうまく使いこなすことができません。業界に特化したシステムもあるため、事前の調査も重要といえます。建設業向けの勤怠管理システムの選び方を紹介します。

1. 自社の従業員数や働き方に対応しているかどうか

現在販売されている勤怠管理システムには、勤怠管理だけではなく労務管理や工数管理ができたりとさまざまな機能が搭載されているものが多くあります。どのシステムにするのかを選ぶ前に、自社にはどんな機能やサービスが必要なのかを明確にしておくと、システムを選ぶときに迷いません。例えば料金設定の場合は、利用する従業員が1人増えるごとに金額が変動するタイプや、何人使っても定額のものもあります。

少ない人数なら変動するタイプの方が安価ですし、定額なら人数の入れ替わりが激しくても料金が変わりません。他にも、夜勤など複数の勤務形態に対応しているかどうかもシステムの選定ポイントとして挙げられます。

2. スマホ打刻ができるかどうか

建設業は、現場作業が多いため、事業所に行くことなく現場で出勤・退勤を行うことがほとんどです。その場合、手軽に打刻できる方法が求められます。スマホ打刻なら、専用の機械を導入することなく、個人のスマホで打刻が可能です。GPS打刻を利用すれば不正の防止対策にもなります。

3. シフト管理機能が付いているかどうか

現場により働き方は違います。決まった日だけ作業する現場もあれば、シフト制で常に現場が動いている現場もあります。シフト制の場合、勤怠管理だけではなくシフト管理も必要になるため、シフト管理機能がついているシステムがいいでしょう。

休暇取得申請をスマホで行えたり、自動でシフト作成ができる機能がついていたり、従業員の給料を入力することで人件費の予算管理が可能なシステムもあります。

4. 使い勝手が良いかどうか

新しいシステムを導入する上で必ず考慮しなくてはならない点が、操作性など使い勝手の良さです。全ての従業員が使うことになるため、どんな人でも使えるようなわかりやすいシステムであることが求められます。

高齢化により、建設業でも高齢者が働いているということが増えたため、スマホに不慣れな高齢者でも利用しやすいものを選ぶようにしましょう。管理側の面でも、初期設定などのサポートが充実しているシステムならスムーズな導入を叶えることができます。

建設業向けおすすめ勤怠管理システム・アプリ10選

勤怠管理システムは、実際にはかなりの数の製品が販売されているため、どれを導入すればいいか迷ってしまいます。建設業におすすめの勤怠管理システムを10種類紹介します。

① ミナジン勤怠管理

ミナジン勤怠管理

ミナジン勤怠管理は、30年以上もの間蓄積された労務問題解決のノウハウを詰め込んだクラウド型の勤怠管理システムです。勤怠管理だけではなく労務管理も行うことができ、労務管理のためのシステムがほしい企業にもおすすめです。シフト制や交替勤務制など、いろいろな勤務スタイルに利用できるので、建設業はもちろんですが、幅広い業種で利用が可能です。

導入時にはシステム初期設定作業代行サービスも利用可能です。手間がかかる初期設定の作業を代行してもらえるので、スムーズな導入ができるだけではなく、担当者の負担を大幅に減らせます。

② 使えるくらうど勤怠管理for建設業

使えるくらうど勤怠管理for建設業は、建設業に特化している勤怠管理システムです。対応している打刻方法は、GPS打刻とICカード打刻で、どちらかを選んで利用できます。日報入力を行うと同時に勤怠管理と労務費管理の同時集計ができ、管理者も従業員も簡単に扱うことができるためストレスが溜まりません。

有休などの申請もスマホがあれば行えるので、わざわざ申請用紙を提出する必要がなくなります。他の申請などもインターネット環境さえあれば行えるので、現場作業の多い建設業の従業員でも使いやすいようになっています。

③ ジョブカン勤怠管理

ジョブカン勤怠管理は、ICカード・GPS・指静脈認証・LINEやSlackでの打刻など、さまざまな打刻方法から選ぶことができたり、給与計算や労務HRなど他のジョブカンシリーズと連携することで業務効率アップを目指すことができます。シフト制の現場で大活躍するシフト管理機能や、プロジェクトやタスクの管理・集計ができる工数管理機能などが搭載されているので、いろいろな用途に利用可能です。

機能は単独利用ができるため、利用したい機能を1つだけ選択したり、複数の機能を組み合わせて利用することもできます。また、英語はもちろん、中国語、ベトナム語などにも対応しているので外国人の従業員が多い企業でも安心です。

④ HRMOS勤怠

60,000社以上もの導入実績を持つHRMOS勤怠は、パソコンやスマホなどから打刻ができたり、QRコードや社員証などのICカードを使った打刻など、多彩な方法の中から自社に合うものを選んで利用することが可能です。毎日記録した勤怠データはAPI連携やCSV入出力により給与計算システムなどと連携してより業務効率アップに貢献できます。

無料プランと有料プランがあり、無料プランでも勤怠管理はもちろんWeb給与明細の発行もできます。有料プランでは、有給休暇の自動付与などの機能が使えるので、よりスムーズな勤怠・労務管理を行うことができます。

⑤ ShiftMAX

Excelを活用し、打刻や集計をリアルタイムで行うことができるクラウド型勤怠管理システムがShiftMAXです。スマホ打刻対応はもちろんですが、ICカード認証・指静脈認証などによる打刻にも対応しているため自社に合うものを選んで利用することが可能です。同時利用もできるようになっているので、従業員が好きな打刻方法を選ぶという使い方も可能です。打刻時にGPSで位置情報を取得することもでき、不正防止に繋げることができます。

工数管理ができる機能もついており、現場の進行状況をパソコンやタブレットで確認できるので、部材の発注や人員の増減などをすぐ判断し、作業遅延を防ぎやすくなります。現場の状況に合ったアレンジで使いやすいようにできるのもポイントです。

⑥ Touch On Time

現場監督が従業員の勤怠管理を行うことができるシステムがTouch On Timeです。勤怠データはリアルタイムで確認できるため、現在誰がどの現場にいるのかや、休みの状況をすぐに確認することが可能です。複数拠点の管理もできるので、常にいくつもの現場を抱えている現場監督にもおすすめです。

Touch On Timeは、所有している端末で勤怠の打刻が可能になる勤怠管理システムです。初期費⽤は無料で、⽉額1人あたり300円という安価な金額で導入できるようになっています。勤怠管理システムの運用が不安という場合でも、導入前・導入後の両方でサポートを受けられます。

リアルタイムで集計される勤怠情報はもちろんですが、フレックスや変形労働時間制などにも対応したシフト管理機能、スマホから残業電車休⽇出勤・有休申請などの申請ができる申請・承認機能など、管理側も現場側も使いやすい機能が揃っています。

設定では、企業独自の休暇制度を追加するなどカスタマイズもできるので、カレンダー通りの休みが少なかったり、独自の休暇を設定しているという場合でも使いやすくなっています。

⑦ CLOUZA

中小企業・中堅企業に使いやすい勤怠管理システムがCLOUZAです。初期費用は0円で導入ができ、利用ユーザー数1人から使えるため、従業員が少ない企業でも利用可能です。打刻方法はPC・タブレット・スマホ・ICカードの中から選択できるようになっており、屋外で打刻した場合は位置情報を取得します。不正打刻の防止にも繋げられます。

オプション機能を使えば、年次有給休暇管理・申請承認ワークフロー・在宅勤務管理の機能を使えるので、労務管理の効率アップに貢献します。

⑧ KING OF TIME

53,000社以上もの企業に導入されている勤怠管理システムがKING OF TIMEです。業種や企業の規模などの制限がないため、どんな企業でも使いやすいシステムといえます。建設業は複雑な勤務形態であることが多いですが、KING OF TIMEは直行・直帰、みなし勤務設定、フレックス勤務の設定などさまざまな設定が可能なので勤務形態に合わせて利用できます。

打刻で作成された勤怠データは自動でシステムにアップロードされるので、労務管理をリアルタイムで行うことができ、働き方改革を進められます。

⑨ ジンジャー勤怠

ジンジャー勤怠は、企業の状況に合わせたサポートを受けることができる勤怠管理システムです。複数のサポートプランから好きなものを選び、システムの導入から運用まで併走してもらえます。

不正打刻の対策としては、GPS打刻の範囲を設定することができたり、打刻時にカメラを起動するように設定したりできます。手厚い不正打刻対策で、正確な給与計算を行うことができるようになります。

⑩ マネーフォワード クラウド勤怠

マネーフォワード クラウド勤怠は、従業員が専用の画面で打刻をすることで、毎月の集計を自動化でき、締め日に行うExcel作業の必要がなくなります。従業員が日々打刻を行うだけで、給与計算の業務の担当者の負担を大幅に減らすことができ、担当者はより多くの業務をこなすことができるようになります。

有休の取得状況や、残業時間状況もわかりやすいので、ミスの軽減に繋がり、煩雑な作業が削減できます。

まとめ

勤務形態が特殊になることが多い建設業だからこそ、正確な勤怠管理が必要となります。現場や従業員に合う勤怠管理システムを利用すれば、快適な打刻はもちろん、より効率がよく正確な労務管理や給与計算ができるようになります。

新しいシステムの導入には高いハードルを感じますが、システムには導入サポートがついているものもあるので、安心して導入することができます。自社に合うシステムを選び、従業員が安心して働くことのできる環境を作りましょう。