定着率の高い会社の特徴とは|離職率の改善方法を紹介
採用しても離職率が高く、なかなか人材が定着してくれないと悩んでいる企業は少なくありません。人材の定着率が悪いと、無駄に新人教育が増えるばかりで、本来の仕事になかなか手がつかないデメリットも発生します。会社への定着率を上げるにはどうすれば良いか、離職率を抑える改善方法を見ていきましょう。
目次
離職率とは?
離職率が高い、低いとは聞きますが、そもそも何を持って離職率の高低が評価されているのでしょうか。一般的に離職率とはどういったことを指すのか、定義と算出方法を整理してみます。
離職率の定義
厚生労働省によると、離職率は、常用労働者数に対して期間中に退職・解雇・出向・出向復帰した離職者の割合と定義されています。(出典:厚生労働省ホームページ)
なお、ここでの常用労働者とは、期間に定めのない雇用を受けている人、1ヶ月以上の有期雇用労働者、1ヶ月以内で期間に定めのある短期労働者、日雇い労働者、前2ヶ月に各々18日以上の雇用があった人のこと。パートタイマーや派遣労働者ももちろん含まれます。
離職率が低いということは離職者が少ないということなので、会社への定着率が高いと判断できます。
離職率の算出方法
一般的に、離職率は年間で表され、ふたつの方法によって算出できます。
まず、期初(1月1日時点)の常用労働者数を分母に持ってきて、期末(12月31日)までの1年間の退職者数を分子に置いて計算する方法です。期初の労働者数と年間の退職者数が分かればすぐに算出することができる単純な算出方法です。
もうひとつは、期初の常用労働者数に対して、年間の退職者が何%になるかを計算する方法。最終的な期末の労働者数によって計算するため、期中に入社して退社していった人はカウントされず、離職率は低く算出されます。
離職率が高くなるには原因がある
離職率の定義は前述のとおりで、離職率が高いということは、それだけ人材の定着率が低いことです。なぜ、離職率が高くなってしまうのでしょうか。考えられる4つの原因を詳しくみていきましょう。
採用時の条件と現場の条件が異なっていた
思っていたのと違ったという経験は、誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。これが今後も将来に関係してくる仕事となると、たちまち辞職の原因になってしまいます。
就職後のギャップが生まれるのは、多くは採用時の説明と実際の業務内容に差が生まれるためです。どうしても採用説明時にはものごとを過大に表現してしまいがちですが、事実とあまりに相違があるとやる気を削いでしまいます。
採用時の説明が正しかった場合でも、実際に希望している部署への配属が叶わず、自分がしたい仕事ではなかったために辞職するケースもあります。
将来性を感じられない
入社当時は分からなくても、周囲の会話などから、会社の方針や評価、組織の形がだんだんと見えてくるものです。ここで、昇進が難しいなどのマイナスイメージ、成長できる機会がほとんどないなどの将来性に不満が出ると離職に繋がります。
人事評価や給与の決定が不明確な場合も、適切に評価されていないなどの不満が生まれ、離職率を高めます。
労働環境に問題がある
ほかの離職の理由と比較すると目で見て分かりやすい部分ですが、労働環境に問題がある場合も離職率の高さにつながります。
職務に対しての給与が十分でない、残業や休日出勤が多く休みが少ないなど、明らかに問題がある場合は、人材の流出を防ぐためにも対策が必要です。
主観的にみて労働環境に問題がない場合でも、募集要項など入社前に確認した待遇とのギャップで不満を覚え、離職につながることもあります。
人間関係に不満がある
職場の人間関係に対する不満が離職につながるケースも少なくありません。この場合、上司や部下とのコミュニケーション不足や世代間のギャップによって不満が生じることもあります。
ほかに、パワーハラスメントやモラルハラスメントなどの問題もありますが、こちらもコミュニケーションがうまくいない場合に多いです。一方がハラスメントと思っていなくても、一方通行の意思疎通になって生じることもあります。
このように、離職率の高さは企業が社員の悩みを良く理解しておらず、有効な解決策を打ち出せないことで起きていることも多いです。
定着率が良い会社の特徴
離職率の原因について紹介しましたが、多くは会社側で社員の悩みをうまくくみ取れていないことが原因だと説明しました。それでは反対に、定着率の良い会社にはどのような特徴があるのでしょうか。
安心して働き続けられる環境にある
定着率の高い企業に共通するのは、安心して身を置ける環境が整っていることです。労働者の思う安心はさまざまですが、たとえば福利厚生をはじめフォロー体制が整っている、ワークライフバランスがとれる、柔軟な働き方ができるなどが挙げられます。
いずれも、将来的に同じ企業で働き続けることを想像したとき、ずっと働き続けたいと思える環境が整っていることが共通事項です。報酬など目先の利益だけでなく、働きやすさを感じられる安定感が重視されます。
企業や社員との間に信頼関係が成立している
定着率の良い企業では、企業と社員の間に信頼関係が成り立っています。それは、明確な評価制度だったり、待遇の公平性だったり、上下関係における信頼と理解だったりとさまざま。いずれも働く人に対して企業の制度や方針は開かれたものになっています。
このように、企業が社員の目線に立って配慮している点が、人材定着率の高い企業に共通することです。
離職率を改善するために企業が取り組むべきこと
離職率の原因、定着率の高い会社に共通することをそれぞれ説明してきました。それでは、離職率の高い会社が、今取り組むべきことは何でしょうか。3つの改善方法の柱を紹介します。
キャリアプランのサポートをする
自分の成長が見込めないこと、または評価制度があいまいで将来性が期待できないことが離職率につながると説明しました。また、定着率の高さには、企業に対する安心感があると紹介しました。
こうした内容を踏まえ取り組みたいのが、社員が将来をしっかり見据えて仕事ができるキャリアプランのサポートです。現在の仕事が将来の成長にどうつながるか明確にするだけでなく、評価制度の明確化、研修制度の導入で、やりがいを持って仕事に取り組める環境づくりをしましょう。
働き方を見直す
労働環境に問題がある場合も社員の離職につながると紹介しました。この機会に会社をあげて働き方を見直すことも大切です。時間外労働が多い場合は労働時間が改善できるように生産効率を上げる、休暇を取りやすい環境をつくるなどが具体策として挙げられます。
ここで重要なのが、社員の勤怠状況を把握することです。勤怠状況が不明なままでは、効果的な対策は打ち出せません。
勤怠状況を把握するには、勤怠管理システムの導入が最適です。社員の勤怠状況をリアルタイムで確認することができるので、就業時間を見直すにあたって役に立つでしょう。
ミナジンでは、コンプライアンスにも対応した勤怠管理システムを提供しています。社内環境整備のために、一度検討してみてはいかがでしょうか。
社内コミュニケーションを活性化させる
社内の不安定で信頼の足りない人間関係が離職の原因になること、コミュニケーション不足が原因にあることは前述したとおりです。
人間関係に不安を抱える社員が増え、離職とならないためにも、相談しやすい環境をつくる、1対1の面談を設けるなどの社内制度の整備で、コミュニケーションを活性化させるサポートに取り組みましょう。
同時に、人事担当者は社員と積極的にコミュニケーションを取って、会社や組織への不満をしっかりヒアリングすることが大切です。
まとめ
離職率が高いと感じたら、何かしら離職につながるような原因が生じていると考えられます。今回紹介したように、離職の原因をまずは見つけましょう。
そのうえで、社員の定着率が高い企業の共通点を参考に、改善していくことが大切です。勤怠関連に原因がある場合は、ミナジンの勤怠システムも活用して改善に取り組みましょう。