過重労働の対策は必須!賠償以上に怖いこと


近年、過重労働の問題がメディアでも報じられるようになりました。あなたの会社での対策は、果たして万全でしょうか。適切な労働時間で管理されているでしょうか。過重労働が深刻だと、会社の賠償問題に発展するだけでなく、会社自体の社会的な立場も危ぶまれます。

労務管理者は、過重労働を防ぐためにどのような対策を打ち出していくべきなのでしょう。過重労働は何かというところから、会社や労務管理者が行なうべき過重労働の対策についてお話しします。

社会問題にもなっている過重労働

過重労働は中小企業に集中していると思われがちですが、近年、企業の規模や知名度に関係なく、過重労働が表面化してきています。名の知れた企業でも過重労働の問題が浮き彫りになり、連日メディアを騒がせたこともありました。

まだ過重労働が問題になっただけなら良いですが、中には元社員が過重労働によって死亡した例など深刻な例も報告されています。単に「社員が働きすぎている」という考えだけでは済ませられないところまできているのです。

■本当にあった過重労働による損害賠償の判例
働きすぎという段階で収まればまだ良いですが、過重労働が原因で従業員が被害を被り、裁判にまで発展したケースはいくつもあります。たとえば、過労による交通事故で企業に5,000万円の損害賠償が命じられた判例、過労による自殺で企業に1億円を超える損害賠償が命じられた判例などです。

過重労働が従業員の命にまでかかわるようなことになると、訴訟や損害賠償など大きな問題に発展する可能性があります。資金力のない中小企業はもちろん、大企業であっても判例にある5,000万円、1億円といった損害賠償の支払いは大きな痛手です。

原因はさまざまですが、従業員に対して労働の負担をかけている企業は、後々企業に大きな負担としてのしかかることを現実として受け止めなくてはなりません。労務管理者は、直ちに過重労働が深刻な事態を引き起こすこと、すぐさま改善の必要があることを知り、改善のための実行に移すことが大切です。

■企業のイメージも悪化する
過重労働は従業員への被害を皮切りに、企業に金銭的なダメージがあることを紹介しました。しかし、金銭的な問題だけではありません。もっと深刻なのは、企業のイメージ悪化です。従業員の過重労働について訴訟が起きたとなると、マイナスのイメージが生まれることは避けられません。

消費者をはじめ、取引先への影響も考えられ、過重労働による訴訟をきっかけに売り上げがダウンするほか、企業が糾弾されることもあるでしょう。

そもそも過重労働のラインとは?

過重労働が社会的な問題になっていて、かつ会社にも影響があることを紹介しましたが、そもそも過重労働はどのように判断するのでしょうか。

まず過重労働の定義ですが、過重労働とは長時間労働により心身に支障をきたすレベルの労働のことを指します。心身への支障があることがポイントです。単純に法定時間の1日8時間、週40時間を超えるような長時間労働というだけで過重労働になるわけではありません。

ただし週、あるいは月何時間で過重労働にあたるのかどうかというのは法律で定められているわけでもないので、実は過重労働の位置づけはあいまいな面もあります。

そこで参考になるのが、過去の判例になるでしょう。過去の判例をみていくと、月80時間以上の時間外労働が数カ月から半年ほど続く場合、あるいは月100時間以上の時間外労働がある場合は過重労働と判断されやすい傾向にあります。月80時間の時間外労働、月100時間の時間外労働が過重労働のサインといえるでしょう。

特に月100時間を超える時間外労働については、危険レベルの域になるため、会社側がすぐさま対応策を出すなど早急な労働環境の改善が求められます。

過重労働の対策は?

過重労働がわかったら、企業、あるいは労務管理者はどのような対策をとるべきなのでしょうか。過重労働を改善するための対策を紹介します。

■会社の方針で過重労働対策をする
過重労働を改善するには、まずは環境整備から入る必要があります。会社のトップが、過重労働に向き合い、今後改善していく方針を出すこと、労働時間の見直しを図ることを明確に意思表示する必要があるでしょう。

目標値として、今後5年の間に時間外労働を全社員月60時間以内に収まるようにするなど、具体的な数字を交えて目標を設定することも大切です。ほかにも、ノー残業デーを設けるなど、会社の環境や方針を変えることによって、会社の残業に対する明確な意思表示になりますし、従業員に対する意識改革にもつながります。

会社が過重労働対策に乗り出したら、次に労務管理者が従業員に会社の方針を確実に伝える作業が発生するでしょう。せっかく会社や経営トップが方針を定めても、従業員に伝わらないのでは意味がありません。労務管理者が責任をもって従業員に周知すること、今後どのように方針を取り入れていくか段階的なステップで導入していくことが大切です。

■個別の面談を実施する
過重労働の対策として、まず会社の意思表示が重要ではありますが、会社の方針の変更だけでは過重労働が改善しないことも少なくありません。会社側の方針と、実際の現場では多少なりとも温度差があるためです。

会社が方針を定めても、現場は仕事量に対しての労働者の数が適切でなく、残業したくなくても残業をしなければならない状況に陥っていることもあります。また、ある従業員に作業が集中するなど、仕事の配分が適切でないケースもあるでしょう。

そこで適宜、労務管理者による個別面談を実施することが重要です。個別に話を聞くことによって、現場はどういった状況なのか、どういった改善が必要なのか、過重労働の現状がつかみやすくなります。現場の状況を把握できれば、人員を増やすようにするなどの対策も取りやすくなりますし、会社トップにどう対応してもらうべきか改善案も出しやすくなります。

また、一定の労働時間を超える従業員に対しては医師による個別面談の必要性も出てくるので注意しましょう。

■労働時間の正確な把握が重要
ここまで過重労働の問題と、過重労働を防ぐにはどうすれば良いかを紹介してきました。そもそも、過重労働かどうかを判断するには、管理者がしっかり労働時間を把握できるように、正確に労働時間を記録させることが重要です。適切に労働時間の管理や記録が行なわれていないと、記録された以上の労働により、実質過重労働になってしまうこともあります。

このように、労働時間を正確に記録し管理するには、勤怠システムの導入が欠かせません。システムを取り入れることによって、勤怠管理がしやすくなりますし、社員がどの程度残業しているのか参照もしやすくなります。労働時間の管理や勤怠管理も、システムを導入することによってもっとスムーズになるはずです。

これまでの過重労働のあり方を見直すだけでなく、過重労働を改善するにはどうするべきか、状況把握のためにもシステムを導入した積極的な改善が求められるでしょう。

まとめ

あなたの会社の従業員の時間外労働が、過重労働に該当する可能性はないでしょうか。過重労働は、今や社会的な問題でもあり、早急に改善していかなくてはならない問題でもあります。

労働時間の改善を図るには、会社トップの意思表示も重要ですが、前提として適切に労働時間が記録されていることが非常に大切です。MINAGINEでは、適切に労働時間が記録できるように使いやすい勤怠システムのサービスを展開しています。労働時間の把握があいまいだと思ったら、ぜひ導入を検討してみてください。