入管法改正により何が変わった?外国人採用前に知っておきたい雇用情報


2018年12月8日に国会で改正案が成立し、12月14日に交付された入管法。正式名称を「出入国管理及び難民認定法」といいます。主に外国人の入国や在留、日本人の出国、難民の認定などを定めた法律です。

それでは、この入管法改正によって外国人労働者の採用にどのような変化があったのでしょうか。入管法改正による変化と企業で実施していくべきことについて解説します。

入管法が改正されたことで何が変わったのか

2018年12月の入管法改正によって、新たに在留資格が設けられることになりました。入管法改正の概要を確認していきましょう。

新たな在留資格「特定技能」が創設

在留資格とは、外国籍の方が日本で働くために必要な資格のことです。いくつか種類があり、在留資格によって働ける範囲、滞在期間が決まっています。

2018年12月の入管法改正では、この在留資格に「特定技能」という新たな枠が加わりました。特定技能とは、一定の技能を持った外国人の雇用を受け入れるための制度です。

これまで、外国人を採用するには、日本で技能を習得する「技能実習」という制度の利用がメインでしたが、雇用できるのが最長5年に限られていました。「特定技能」の創設によって、「技能実習」で技能を身に着けた外国人を日本で雇用できるようになったのです。

改正により、せっかく日本で技能を身に着けた外国人を、日本で引き続き雇用できないという問題が解消されました。

特定技能には1号と2号がある

新しく創設された「特定技能」には、特定技能1号と特定技能2号の2種類があります。それぞれの違いを簡単にみていきましょう。

特定技能1号

介護職や宿泊業など、14の業種を対象にしたもので、更新によって最長5年の日本への滞在が許可されます。1号では、基本的に家族の帯同は認められません。

特定技能2号

2号は、建設、造船・舶用工業の2業種で認められている在留資格です。いずれも1号にも該当する業種で、さらに熟練した技能を持っていることが条件になります。

1号が在留期間に定めがあるのに対し、更新は必要ですが特に在留期間は定められていません。長期の滞在が予想されるため、条件に該当すれば配偶者や子の帯同も許可されます。

入管法改正のメリット・デメリット

ここまで入管法改正によって、外国人雇用の在り方が変わってくることを説明してきました。それでは改正で私たちの生活はどう変化するのでしょうか。社会全体でみたときの入管法改正のメリット、デメリットをみていきましょう。

メリット

特定技能の創設で、14種の業種について、外国人労働者のより柔軟な働き方、企業の柔軟な外国人雇用が可能になりました。

この14の業種とは、農業、漁業、介護職、外食産業、宿泊業、ビルクリーニング業、飲食料品の製造業、素形材産業、産業機械製造、電気また電子機器関連業、自動車整備業、航空業、建設業、造船・舶用工業のこと。

いずれも人手不足が深刻といわれている業種です。特定技能の創設により外国人の受け入れ拡大が期待できるため、労働力増で人手不足を補えるのではないかと期待されます。関連する業種の企業にとっては大きなポイントです。

また、外国人労働者も日本での仕事の幅が広がるため、働く側にとってもメリットがある改正といえます。

デメリット

一方、入管法の改正は問題点もあります。これまで外国人雇用で主流とされてきた技能実習では、整備が行き届かず、低賃金や重労働など雇用環境の問題が指摘されていました。規制はありますが、技能実習の段階で問題が解消されないまま、受け入れを拡大したことによる雇用環境への不安があります。

また、外国人が就労できる業種は限られますが、外国人労働者が増えることによって、日本人の雇用機会が減少するデメリットも懸念されます。

このように、入管法改正はメリットばかりとはいえません。しかし、デメリットに挙げられる部分は、企業の体制次第でいくらでも改善することが可能です。社会全体の取り組みはもちろん、各企業の努力や適切な体制づくりが重要といえるでしょう。

特定技能の外国人を雇用するポイント

ここまで入管法改正と、特定技能創設によるメリット、デメリットを紹介してきました。それでは、特定技能の在留資格を持った外国人を雇用するには、どうすれば良いのでしょうか。雇用のポイントを解説します。

特定技能雇用契約を結ぶ

特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用する場合、特定技能雇用契約を結ばなければなりません。契約にあたっては、日本人と同じまたはそれ以上の報酬を支払う、通常の労働者と所定労働時間を同一にする、日本人との待遇に差を設けないなど、7つの基準を満たす必要があります。

1号特定技能外国人支援計画を作成する

受け入れ機関、つまり特定技能の外国人を雇用する企業には、外国人支援の義務があります。職業生活、日常生活、社会生活を支援する義務です。

具体的には、雇用する外国人の公共機関での手続き支援、日本語習得の支援、医療機関利用の支援、日本人との交流の支援や苦情があった際の対応などが挙げられます。

受け入れ機関では、省令にもとづき、どのような支援を実施していくか、具体的な内容と方法と記入する支援計画を作成し、計画にもとづき内容を実施しなければなりません。

必要に応じて出入国在留管理庁へ届出を提出

受け入れ機関では、受け入れ時の契約や届け出だけでなく、雇用の更新や変更など、状況に応じて出入国在留管理庁に届け出る義務があります。届出を含め、いずれも問題があると、出入国在留管理庁から指導があるだけでなく、罰則の対象になることもあるため注意が必要です。

このように、実際に特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用するには、複数の手続きが必要になるほか、気を付けなければならない点が出てきます。

外国人を雇用する際に企業側ができること

入管法改正によって外国人の雇用が柔軟になったものの、実際に雇用となるとさまざまな手続きが必要だと説明しました。しかし、すでに人材不足に陥っている企業において、人材の確保は急務です。

それでは、外国人雇用で企業ができること、雇用前にしておくべきことには、何があるのでしょう。外国人雇用を、法令に順じて実施するための3つのポイントを紹介します。

支援機関や受け入れ機関との連携

外国人雇用にあたっては、受け入れ機関だけでなく、登録支援機関といわれるものがあります。委託契約によって、受け入れ機関の支援計画を代わりに実施する機関のことです。

これにより、外国人労働者の日本語指導や生活面のサポートなど、受け入れ機関が計画している支援を、直接行う必要がなくなります。企業側の負担が減り雇用がスムーズに行えるため、登録支援機関との連携は重要です。

社内制度や風土の見直し

日本的な雇用だと、外国人との間にトラブルが発生することがあります。特に業務範囲がわかりにくい職場は、仕事に対する不満が起こりやすいです。

外国人受け入れにあたっては、社内制度を一度見直すことが大切。業務範囲を明確にしたうえで、誰でも見てわかるよう、業務マニュアルにイラストを追加して分かりやすくするなど、外国人労働者も働きやすい環境づくりを意識しましょう。

また、勤怠管理が旧来の方法で分かりづらく管理し難い場合は、これを機に見直しを図ることをお勧めします。たとえば、システムを導入すれば、勤怠管理がパソコン上で簡単に行えるようになり、システム次第ではシンプルなフローに統一することも可能です。

ミナジンの勤怠管理システムなら、打刻、承認、締めのシンプルなフローで勤怠管理ができます。残業や直帰、休暇申請などの便利な機能、スマートフォンなどを利用した打刻も可能なので、勤怠管理をぐっと楽にすることもできます。外国人採用の下準備として、ミナジンの活用も視野に入れてみてはいかがでしょう。

生活面でもサポート

登録支援機関によるサポートもありますが、外国人労働者が職場の人と関係を築き、安心して働くには企業側からの働きかけも欠かせません。地域のイベントに一緒に参加する機会をつくる、住居探しや手続きなど、職務以外で細やかなサポートをするなど、日常生活の支援も外国人雇用をするにあたって大切です。

まとめ

入管法改正で特定技能の在留資格が増えたことにより、一部の企業では外国人労働者を雇用しやすくなりました。一方で、外国人雇用にあたっては、必要な手続きを取らなければならないだけでなく、受け入れのための社内整備も必要です。

勤怠管理も重要な整備のひとつとなりますので、ミナジンを利用してスムーズに管理ができるよう、外国人労働者雇用のための下準備をしておきましょう。