労働基準法からみる休日の区別

休日の日数は労働者にとってかなり重要です。休日が多ければハードな仕事でも適度にリフレッシュできます。就職や転職の際に、年間休日数を重視して応募先を決める人もいるでしょう。年間休日数の多さをアピールして人材を集めようとする企業も多いです。休日に関しては労働基準法で規定が設けられています。ではどのように規定されているのか見ていきましょう。

法定休日と所定休日

休日には法定休日と所定休日があります。企業経営者が、自社の労働条件が労働基準法に反していないかどうか考える際に、法定休日と所定休日を区別しなければなりません。求人を募集する際にも、法定休日と所定休日の区別は大事です。

労働基準法では、最低限設けなければならない休日を規定しています。その休日が法定休日です。法定休日には労働義務が課せられません。そして、その法定休日は1週間に1回です。

1週間というのは、通常は日曜日が始まりで土曜日が最後ですが、法定休日を考える上では、必ずしも日曜日を始まりとして考える必要はありません。他の曜日を始まりとして数えて、1週間に1回の休日が確保されていれば労働基準法に合致していることになります。

また、労働基準法では連続勤務に関する規定は設けられていません。しかし、法定休日が1週間に1回ということから、連続勤務は最長で12日間までということになります。これは1週目は1週間の一番最初の日に休日があり、2週目は1週間の一番最後にあるようなケースです。12日間の連続勤務はかなりハードですが、このようなケースだと労働基準法に反しません。

また、変形週休制を採用している職場においては、1週間に1回の休日が確保できなくても、違法にならない場合があります。変形週休制というのは、4週間に4日以上の休日が与えられていれば、法定休日を確保できているものとして扱う制度です。

小売業やサービス業などでは、労働者全員に対して1週間に1回の休日を確保するのが難しいケースもあります。そのため変形週休制を採用しているところが多いです。

変形週休制を採用する場合には、就業規則や労使協定などで規定するのが望ましいですが、必ずしも規定する義務はありません。具体的な規定なしでも、変形週休制を採用できます。また、4週間というのは特定の4週間ということになっています。つまり、あらかじめ定めた4週間において、4日間の休日が確保されなければなりません。

任意の4週間で4日間の休日が確保されていても、特定の4週間で確保できていないと違法になる場合があります。逆に特定の4週間で4日間の休日が確保できてさえいれば、他の区切りで見てみたときに休日が3日以下の4週間があっても違法にはなりません。

一方、所定休日というのは、法定休日以外の休日を指します。

週給2日制を採用している企業は多いでしょう。その場合には、法定休日の他に1週間にもう1日の休日が設けられています。そのもう1日の方の休日が所定休日です。労働基準法で義務づけられている休日ではありませんが、各企業が就業規則などで設けています。

休日が法定休日のみだとかなりハードに感じられますが、適度に所定休日があることで、仕事の疲れを取れることも多いです。

また、労働基準法では1週間の労働時間を40時間まで、1日の労働時間を8時間までと規定しています。法定休日しか休日を設けていないと、1週間の労働時間が40時間を超えてしまうことが多いです。1日8時間なら休日が1週間に1回だけだと、1週間の労働時間は48時間になってしまいます。1日7時間労働でも、1週間で6日勤務なら42時間です。週休2日制にするのは、1週間の労働時間を40時間以内に収める意味合いもあります。

週休2日制の場合には、2日ある休日のうちどちらが法定休日なのか気になる人も多いでしょう。割増賃金や、法定休日が確保されているかどうか判断する上で、法定休日を特定したい場合もあります。しかし、法定休日は特定されている必要はありません。

1週間に1回の休日が確保されていれば、法定休日が確保されているものとして扱います。法定休日であっても所定休日であっても労働者は実際に休めるため、特に大きな問題もないでしょう。

法定外休日(追加休日)とは

所定休日は法定外休日や追加休日と呼ぶこともあります。法定休日以外の休日という意味です。週休2日制を採用している場合などに、法定休日と所定休日を特に区別する必要がないことから、どちらも同じ休日だと捉えている人も多いでしょう。

厳密には所定休日は労働義務があって免除されているため休みになるという扱いで、法定休日とは異なります。

会社によって年間休日日数に差があるのは、所定休日が多いか少ないかの違いです。1年間は約50週間あるため、どの職場も法定休日として50日程度は休日を設けなければなりません。これに加えて1週間にもう1日の所定休日を設けると、年間休日数は100日程度です。祝日を休みにしている職場も多いですが、祝日の日数分も所定休日ということになるでしょう。他に年末年始やお盆などの時期に休日を多く設ける場合も所定休日です。

基本的に全ての週で1週間に2回の休日を設けている場合は、完全週休2日制といいます。完全週休2日制で祝日や年末年始、お盆も休みなら、年間の休日数は法定休日と所定休日合わせて120日を少し超えるくらいの日数です。

ただ、主に中小企業などでは完全週休2日制ではなく、隔週で週休2日や、繁忙期のみ1週間の休日が1日のみという職場もよく見られます。その場合には所定休日が完全週休2日制の職場よりも少なめで、年間休日数は100日から110日程度であることが多いです。

所定休日に出勤させる必要がある場合

労使協定などの手続きを経ることで、例外的に法定休日にも労働させることが可能です。ただし、その場合には35パーセントの割増賃金を支払わなければなりません。一方で、法定休日ではなく、所定休日に労働させる場合もあります。例えば、週休2日制の職場で、2日ある休日のうち1日だけ出勤してもらうような場合です。その場合にも割増賃金の支払が必要ですが、割増率が25パーセントで済みます。

そのため、休日に労働させる場合には、その休日が法定休日なのか所定休日なのか区別する必要があるのです。

法定休日は特定されている必要はありませんが、休日に労働させたことで1週間の中の休みが減ったら、原則として残っている休日を法定休日として扱います。そのため35パーセントの割増賃金が必要になるケースはそう多くありません。休日とされている日に出勤してもらうことになっても、1週間に1日の休日が確保されれば、出勤させた日は所定休日ということになり、25パーセントの割増賃金で足ります。

また、この25パーセントの割増賃金は1週間の所定労働時間である40時間を超えたために支払われる時間外手当の割増賃金です。そのため、40時間を超えない部分に関しては、通常の賃金で問題ありません。

この休日出勤に対する休暇や賃金については、「振休、代休の違い」で、詳しく述べています。(リンク)

まとめ

休日に関する取り扱いをきちんとしておくことは企業にとって非常に大事です。休日の取り扱いがあいまいになっている場合は、就業規則で規定を設けるなどしてはっきりさせておきましょう。休日出勤に対する割増賃金が正しく支払われているかどうかも大事です。

労務管理がきちんとしている職場なら、労働者も安心して働けます。人手不足が続く中でも、良い人材を確保できるでしょう。労務管理の煩雑さでお悩みなら、ぜひミナジンのホームページをチェックしてみてください。