アプリで利用できる勤怠管理システム!メリットとおすすめ4選を紹介

2018年より順次導入された「働き方改革関連法」によって、「柔軟な働き方」「時間外労働の上限規制」など、働き方改革関連法に対応するための勤怠管理システムの導入は必須となっています。

「操作が簡単、どこでも操作できる、誰でも持っている」
勤怠管理システムの導入にあたってこれらの条件を満たす「アプリ」を求める企業も多いのではないでしょうか。

例えば外出の多い営業や、現場からの直帰が多い建設業などでは、打刻や日報の入力をアプリで完結させたい、といった状況が挙げられます。

しかしながら、勤怠管理システムの全機能が揃っているアプリは存在しません。このシステムにおけるアプリの役割はPCの補助であり、アプリでの活用が想定される機能のみ利用できるようになっています。

そのため「アプリ」にのみ注目して選ぶことはあまりおすすめしませんが、出先での手軽さや、「どこでも使える」という便利さから、PCと併用して利用することが望ましいです。

そこで本記事では、企業それぞれの目的に沿って選べるおすすめアプリやその選び方を解説します。

アプリ版の勤怠管理システムとは

勤怠管理システムとは、従業員の出社・退社時間の記録や労働時間の把握など、従業員の勤怠管理を効率良く管理するためのツールのことです。

タイムカードに出退勤時間を打刻するのではなく、PCの画面やスマートフォン(以下、スマートフォン)から出退勤、残業、有給などの報告・申請を行うことができます。従業員が入力したデータは自動的に集計され、人事などの企業担当者が簡単に管理できます。

中でもアプリ版の勤怠管理システムは、従業員の手元にPCがない状況でも打刻などの就業報告を実現するツールです。

手持ちのデバイスにダウンロードすることで、移動中や工事・建設現場での作業中にも、PCいらずで操作できます。

出典:MINAGINE

ここでお伝えしたいのは、操作が簡単で手軽といった点から、勤怠管理をアプリのみで運用できたら良いと考える方もいるかもしれませんが、勤怠管理システムの全機能が揃っているアプリは現時点では存在しません。

アプリ版の勤怠管理システムは、PC版での勤怠集計やシフトの作成などを前提として、あくまでPCの補助として利用することを覚えておきましょう。

アプリ版の勤怠管理システムを使う3つのメリット

ITトレンドが実施した「勤怠管理システム導入についてのアンケート」(2019年)によると、勤怠管理システムの比較検討時にユーザーがもっとも重視する項目のトップ3は「使いやすさ(76%)」「価格(48%)「打刻方法(36%)」であることがわかりました。


出典:ITトレンド

「使いやすさ」は「画面操作性」や「アプリ利用シーンの利便性」など複数の要因に分解できますが、すでに各従業員が持っているスマートフォンにダウンロードするだけで完結するアプリ版の勤怠管理システムは、「いつも使っているデバイスのため操作が簡単」かつ、「持ち歩いてさえいればどこでも使用できる」といった点で、大いに魅力だと言えるでしょう。

以下では、勤怠管理をアプリで行う具体的にどんなメリットを、さらに詳しく紹介します。

1. いつでも誰でも使いやすい

従業員がPCを使うことができない現場作業(工事・建設・医療など)に従事していたり、そもそもPCでの操作になれていない場合は、勤怠管理をPCだけで管理することが難しくなります。

その点アプリ版の勤怠管理システムは、スマートフォンを持っていればすぐに操作できます。
仕事と育児・介護とを両立している従業員が多い場合にも、わざわざPCを立ち上げずとも手持ちのスマートフォンで就業報告を送ることができるため、普段から慣れた操作で利用できるアプリという形態は魅力的です。

2. コストや工数の削減

勤怠管理システムを選ぶ際のポイントの一つであるコストの削減にも繋がる、工数の削減が可能であることもアプリのメリットです。

勤怠管理をタイムカード式で行っている飲食店やサービス業は多くありますが、紙に書いた場合は記入漏れや記入内容が読み取りづらいなど、アナログならではの問題が発生しやすくなります。また、そもそも出勤簿の提出を忘れてしまうなどという事態も考えられます。

しかしタイムカードの管理がなくなりペーパーレスになることで、従業員の勤務時間の集計などにかかる手間を減らすことが期待できます。

実際に打刻する従業員・勤怠状況を管理するどちらの立場にとっても仕事の効率性が上がることは間違いありません。

3. GPS機能で不正打刻を防止できる

スマートフォンアプリには位置情報を記録できる機能がありますが、これを勤怠管理にも活かしているアプリもあります。

例えば営業職など外出が頻繁な従業員が使う場合には、管理側がどこで打刻されたかをマップ上で目視することができるため、不正に勤務時間を伸ばしたり逆に短く記録するなどの不正打刻を防ぐことができます。

出典:MINAGINE勤怠管理

外出先で打刻できるため、一度会社に戻ることなく直帰できる点もPC版では得られないメリットです。

勤怠管理システムのアプリでできる主な機能

勤怠管理システムの全機能が揃ったアプリは、現時点では存在しません。では、現在利用可能なアプリには主にどのような機能があるのでしょうか。

各社に共通している基本的な機能としてあげられるのは、打刻や勤怠状況の確認などです。ただ、基本的な機能やさらに追加機能で各アプリにそれぞれ特徴があります。

打刻の機能でも、アプリ内のボタンを押すことで打刻できたり、中にはGPS機能によって打刻した時点の位置情報が確認できたりするなど、アプリという仕様を生かしたものも見られます。

打刻以外の機能に関しても各々に様々な違いが見られるので、次項のシステムの紹介で詳しく解説していきます。

操作が簡単!アプリ版の勤怠管理システムおすすめ4選

各社のアプリにはそれぞれ機能に違いが見られますが、勤怠管理システムの中でもアプリのメリットを生かした機能を備えたおすすめのアプリを4つ、各アプリに何ができるのかも含めてご紹介します。

1.MINAGINE
2.kincone
3.IEYASU
4.jinjer

1.MINAGINE

出典:MINAGINE

勤怠管理システム「MINAGINE勤怠管理」は、人事労務のプロフェッショナル集団が開発したコンプライアンスに強い勤怠管理システムです。
「MINAGINE勤怠管理」のアプリはとてもシンプルで、アプリ内のボタンを押すだけで打刻することができます

このアプリの最大の特長は、GPS打刻機能があることです。どこで打刻したか、という位置情報とともに住所の表示もできます。

例えば営業での外出先から会社に戻って打刻する手間を省き、直帰や出張先でも利用できます。また位置情報の記録によって「いつ」「どこで」出退勤をしたのかを把握することが可能です。
この位置情報は打刻した本人・承認者は共にブラウザ版で確認可能で、不正打刻を防ぐことにも繋がります。

また、当アプリならではの機能は、「働き方関連法」に対応して労働時間を適正に把握し適切な管理を目指したい企業のニーズに応えている点です。

▼MINAGINEならではのアラート機能

残業超過チェック月の残業時間数を判定して、規定の残業時間数を超過した場合にアラートを表示します。集計期間は、[勤務時間登録(会社)の設定] 画面の [月の開始日] から [アラートタイミング] まで です。超過時間数を設定することができます(例えば、残業時間が45時間を超過した場合にアラートを通知するなど)
時間外申請チェック出勤予定日の勤務時刻と異なるが、時間外勤務の申請がされていない場合にアラートを表示します。チェックを掛ける期間を指定できるので、いつから〜いつまでのタイムカードを対象にチェックを掛けるかを指定できます。
有給休暇 有効期限チェック有給休暇・振替休日の有効期限が近い場合にアラートを表示します。チェックを掛ける期間を指定できるので、有効期限の◯◯日前からチェックするなどを設定することができます。

参考:アラート機能|MINAGINE勤怠管理

打刻する従業員と管理業務の負担を軽減するというアプリのメリットを生かしつつ、オフィス以外での打刻が可能になることで生まれる長時間労働を防止できるのは、担当者として大きな魅力を言えるでしょう。

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2.kincone

出典:kincone

kinconeのアプリにはアプリ内のボタンによる打刻機能に加えて、交通系ICカードをスマートフォンにかざすと、打刻と交通費のデータを同時に読み取ることができる、交通費精算機能が搭載されています。

現場ごとに交通費精算を行っている場合には、手動での登録が不要となるため非常に便利な機能です。営業など移動の多い従業員の多い企業には特におすすめです。

出典:kintone

また、このアプリの他にはない特長の一つとして、ユニバーサルデザインを採用していることがあげられます。
Android版アプリでは、文字が大きく見やすいデザインで利用できるため、アプリの扱いやすいというメリットがさらに生かされています。

PCなど電子デバイスの操作に不慣れな従業員が多いために、システムの導入を踏みとどまっている企業にもおすすめできる機能です。

▼サービス詳細
kintone

3.IEYASU

出典:IEYASU

「IEYASU」は、人事実務の専門家によって共同開発された、シンプルで使いやすい勤怠管理システムです。

IEYASUのシステムは完全無料ですぐに利用が可能です。利用者側の機能は全てアプリ内で利用が可能であることにも強みがあります。

アプリ内のボタンによる打刻機能ができる勤怠管理に加えて、日報の管理と給与明細の確認ができる機能もあるので、建設業など日報の登録を日課にしている会社にとっては非常に便利です。
また、SlackやLINEと連携して打刻することも可能です。
「IEYASU勤怠管理」をSlackのワークスペースへインストールあるいは公式LINEを追加すると、テキストの入力のみで出勤・退勤・休憩開始・休憩終了の打刻が簡単にできます。

会社内でのやりとりにSlackなどを利用している場合は、それらと連携できるかどうかもシステム導入の際に注目したいポイントです。

▼サービス詳細
IEYASU

4.jinjer

出典:jinjer

jinjerのアプリはアプリ内のボタンによる打刻機能に加えて、出勤予定の確認や追加で希望シフトの申請などが可能になっています。

また残業申請、休日休暇申請などの各種申請もスマートフォンからできることもメリットの一つです。

打刻、各種申請、シフト確認・申請など、基本的な機能から他には見られないような機能まで備えています。また不正打刻防止のために打刻時にカメラを起動させることもできます。

このように現時点で存在している勤怠管理システムのアプリの中では最も機能が充実しています。

そのため飲食店や小売業など、従業員様が一人1台PCを所持していない会社には、このスマ
ホ中心で運用可能なjinjerをおすすめです。

▼サービス詳細
jinjer

まとめ|目的にあった勤怠管理システムのアプリ活用を

ここまで、おすすめの勤怠管理システムのアプリと各アプリで何ができるのかをご紹介しました。

ただアプリを活用することは非常に便利である一方で、実際のところはアプリに対応できている勤怠管理システムはそんなに多くはありません。

そのためアプリの機能が勤怠管理システムの一部であることを忘れることなく、各々の目的によりマッチした勤怠管理システムを、比較検討した上で選ぶことが大切です。

こちらの記事で、「22種の勤怠管理システムの特徴」などがご覧いただけますので、アプリに対応しているかどうか、自社に合った機能はあるかどうかなどをチェックしてみてください。

もし気になる勤怠管理システムがアプリに対応していない場合には、一度無料トライアルを申し込みスマートフォンのブラウザ利用で使用感を試してみるのも良いかもしれません。

各社のアプリの機能を参考にしつつ、自社に最も適した勤怠管理システムを選んでいきましょう。