勤怠管理システムは導入して終わりではない!自社の就業管理の仕組みに合った改善の必要性
勤怠管理システムを導入することで、効率的な勤怠管理、人事担当者の手間やコストの削減など、さまざまな効果が期待できます。しかし、勤怠管理システムは導入すれば終わりというわけではありません。テレワークや時短勤務など、働き方が多様化している昨今、勤怠管理システムにも個社ごとの就業規則や実態に合わせた、そのシステムの設定改善は必要不可欠であり、実態に即した勤怠管理システムこそが、本当に使える勤怠管理システムなのです。
そこで今回は、本当に使える勤怠管理システムとは何か、導入時に考慮すべきポイントを紹介します。
目次
勤怠管理システム導入後に初めて分かる問題点
勤怠管理においては必ず個社ごとのルールが存在します。特に最近ではテレワークや時差出勤を導入する企業も増え、中小企業でも勤務形態が複雑になってきていることから、勤怠管理システムに反映できないルールがあるという企業も多いのではないでしょうか。
勤怠管理システム導入時はUIや勤怠締めの行いやすさに目がいきがちですが、いざ導入してみると、システムを使えば自動でできると想定していたことが実際は手動でしかできなかったり、別途管理が必要になったりなど、そこで初めて分かる問題点が意外と多くあるのです。
勤怠管理システムを導入する際は、就業規則などのルールはもちろん、働き方の実態に合わせて設定改善ができるシステムを選ぶことが大切です。
勤怠管理システムは導入後こそ、設定の調整と活用改善が必要不可欠!
勤怠管理システムは、働き方の実態や個社ごとのルールなど、自社の就業管理の仕組みに合わせて改善していくことで、従業員の勤務状況を把握しやすくなるだけでなく、人事担当者の勤怠管理にかかる手間や労力も削減できます。
そこで続いては、勤怠管理システムにどんな設定の調整と活用改善が必要かを紹介します。
時間集計ルールの設定
勤務時間の集計については、個社ごとのルールが存在するケースが多いです。
勤務時間の集計は原則1分単位で行う必要がありますが、すべての従業員の勤務時間を1分単位で集計していては、人事担当者にかなりの負担がかかってしまいます。そのため、月単位の労働時間や残業に関しては、15分単位、30分単位で切り上げや切り捨てをするという企業も多く存在します。また、出勤時間については15分丸め(8:47分に出勤した場合は9:00)を採用し、退勤時間については丸めないという企業もあるでしょう。
そのため、日々の勤務時間については1分単位での打刻管理をしたうえで、勤怠集計時には個社ごとのルールが反映できるように設定を調整し、活用を改善することが必要です。
有給休暇のルール設定、管理
有給休暇についても、個社ごとのルールが存在します。例えば、半日単位や1時間単位での有給休暇取得を認めている企業もあれば、「原則3日前までに会社の承認を得なければならない」など、事後承認を認めない運用をしている企業もあるでしょう。
また、2019年4月の法改正により、年10日以上の年次有給休暇が付与される従業員に対しては年5日の有休休暇を取得させることが義務付けられ、年次有給休暇の管理簿は3年間の保管が義務付けられました。年次有給休暇を管理するうえで重要な基準日は、従業員によって異なり、また基準日の定め方も企業によって異なります。
このような有給休暇のルール設定、管理も勤怠管理システムに反映できれば、人事担当者の負担を大きく削減できます。
残業時間の上限設定、管理
みなし残業制度や残業時間の上限を設けている企業の場合、残業時間の管理におけるシステム上の設定も必要です。みなし残業時間の設定や残業の上限設定ができる勤怠管理システムはもちろん、実際の労働時間が上限時間を超過する前にアラートを出して警告する機能が搭載された勤怠管理システムもあります。
勤怠管理システムで個社ごとのルールに合わせた残業時間の上限設定や管理することによって、人事担当者の勤怠管理における手間を削減するというだけでなく、過重労働を未然に防ぎ、適切な労働時間管理を行うことができるというメリットもあります。
各種アラートの設定
勤怠管理システムは、ただ従業員の勤務時間を記録するというだけでなく、適切な管理がされているかどうかが重要です。そのため、未打刻があった場合にアラートメールを配信したり、一定以上の残業時間を超えたら本人と管理者にアラートが通知されたり、有給休暇の消化日数が近づいてきたタイミングで本人にアラートを通知したりなど、勤怠管理システム自体に必要なアラートが設定できる機能が備わっていることが大切です。
また、このようなアラートの設定についても個社ごとのルールに合わせて、設定調整ができ、活用改善ができる勤怠管理システムが望ましいでしょう。
フレックスタイム制の設定、管理
フレックスタイム制を取り入れている企業の場合、従業員一人一人の勤務時間が異なるため、通常の労働時間制と比べて、遅刻や早退などの勤務時間の管理や残業時間の管理が煩雑になります。
フレックスタイム制のコアタイム設定については、個社ごとにルールが異なります。個社に合わせて設定調整できる勤怠管理システムを導入することで、コアタイム、フレキシブルタイム、時間外労働など従業員の正確な勤務状況を把握することができ、自動での集計が可能です。
シフト制による休日の設定
契約労働時間が異なるシフト制を用いて業務を行っている企業では、曜日によって休日が異なる従業員も少なくありません。この場合も、勤怠管理システムの設定改善が必要です。
例えば、従業員ごとに異なる契約労働時間を設定し、勤怠管理とシフト管理をセットで行える勤怠管理システムを導入することで、契約時間外にシフトを組むミスや給与計算のミスを防ぐことができるでしょう。
雇用形態や職種によって異なる勤務形態
企業によっては、雇用形態や職種によって異なる勤務形態を取り入れているケースもあります。最近ではテレワークを導入する企業が増え、場所や時間にとらわれない働き方ができるようになったため、週3日はテレワーク、週2日はオフィス勤務など、日によって働き方が異なる職種があるということも珍しくないでしょう。また、経理や総務など事務系の職種はオフィス勤務、営業職は出張や外勤がほとんどという企業も存在します。
そのため、勤怠管理システムを導入する際は、雇用形態や職種によって異なる勤務形態にも対応できるよう、例えばオフィス勤務時は専用端末にICカードをかざして出退勤時間を打刻することができ、外出が多い営業職やテレワーク中はPCやスマホ、タブレットからWeb上で打刻できるなど、それぞれの働き方に合った打刻方法の設定改善が必要です。
法定内・法定外割増時間の振り分け
残業には「法定内残業」と「法定外残業」という2種類が存在し、この2つの残業には、割増賃金で計算された残業代が発生するかしないかという大きな違いがあります。
法定労働時間は1日8時間(週40時間)ですが、この法定労働時間を超えた残業を「法定外残業」といい、法定外残業に対しては25%以上の割増賃金を支払う必要があります。
一方、法定内残業とは1日8時間を超えない残業のことで、例えば就業規則で定めた勤務時間(所定労働時間)がそもそも7時間(勤務時間9:00~17:00、休憩60分など)という企業の場合、1時間残業をしたとしても法定内残業に収まるため、割増賃金の対象とはならないのです。
そのため、特に所定労働時間が8時間未満という企業の場合、法定内・法定外割増時間の振り分けについては、勤怠管理システムの設定改善が不可欠です。
給与計算用データの生成
勤怠管理システムからの集計データを給与計算で使用するシステムに合わせて加工したいという企業も多いです。給与計算システムは個社ごとに異なるため、自社の給与計算システムに合わせて集計データの設定を調整できれば、人事担当者が手作業でデータを加工する手間を省くことができ、負担を大幅に軽減できます。
ミナジン勤怠管理システムは、「労務管理をちゃんとする」ことをサービスビジョンに掲げ、開発を行っております。「コンプライアンス体制を確立したい」「IPOを目指している」「2度とシステム導入/運用に失敗したくない」そんな企業様を支援します。
勤怠管理システム導入にあったって考慮すべきポイント
勤怠管理システムは、どんなものでも導入すれば良いというものではありません。
そこで続いては、勤怠管理システムを導入するにあたって、考慮すべきポイントを紹介します。
自社の就業ルールが法令に準拠しているか
いくら設定の調整や改善活用ができる勤怠管理システムを導入したとしても、そもそも自社の就業ルールが法令に準拠したものでなければ、適切な勤怠管理を行うことはできません。
そのため、勤怠管理システムを導入するにあたっては、自社の就業ルールが法令に準拠しているかを確認しましょう。また、勤怠管理システムを販売する会社の中には、単にシステムの使い方をサポートするというだけでなく、労務管理の相談にも応じてくれるところもあります。自社の就業ルールに不安がある場合は、労務管理の相談ができる勤怠管理システムの販売会社を選ぶのがおすすめです。
就業ルールと勤務実態に乖離はないか
従業員の労働時間を把握する目的で勤怠管理システムを導入する企業が多いですが、勤怠管理のすべてをシステム頼みにするのは好ましくありません。なぜなら、勤怠管理システムを導入したからといって、就業ルールと勤務実態に乖離が生じてしまう可能性は否めないからです。
就業ルールと勤務実態に乖離が生じた場合は、実態調査の実施が必要です。定期的に打刻された始業・終業時刻を確認し、問題がありそうなときは実態調査を行いましょう。
実態に即した勤怠管理ができるか
従業員による自己申告の出退勤の報告には不正確さや曖昧さが伴います。そのため、勤怠管理システムを導入する際に注目したいのが、実態に即した勤怠管理ができるかという点です。
例えば、ICカード打刻だけでなくWeb打刻やPCログから出勤時刻が把握できる勤怠管理システムであったり、従業員が打刻修正をした場合でも、実際の打刻時間が上書きされずに記録として残る勤怠管理システムであったり、勤務の実態が客観的に把握できるシステムを選ぶことが大切です。
就業ルールの変更に対応できるか
就業規則は一度決めたら終わりというものではなく、適宜見直しが行われるものです。そのため、勤怠管理システム導入後に、就業ルールの変更が行われることもあるでしょう。
しかし、就業ルールの変更に対応できないシステムでは、ルール変更を行った途端に勤怠管理システムが使えなくなってしまったり、Excel等での手作業での管理が必要になってしまったりするケースがあります。
勤怠管理システムを導入する際は、自社の就業ルールが変更される可能性も考慮して、変更時にもスムーズに対応できるものを選ぶことが大切です。
従業員にとっても使いやすいシステムか
勤怠管理システムは、人事担当者や管理者だけでなく、実際に毎日打刻をする従業員にとっても使いやすいシステムであることが大前提です。
不要な機能が搭載された勤怠管理システムでは従業員が使いこなせず、使いづらさを感じてしまうことも少なくありません。継続して勤怠管理システムを使っていくためにも、誰でも簡単に使いこなせるシンプルなシステムを選びましょう。
ミナジン勤怠管理システムは、「労務管理をちゃんとする」ことをサービスビジョンに掲げ、開発を行っております。「コンプライアンス体制を確立したい」「IPOを目指している」「2度とシステム導入/運用に失敗したくない」そんな企業様を支援します。
本当に使える勤怠管理システムとは?
勤怠管理システムは、個社ごとに異なるルールを反映できるものであることはもちろん、人事担当者や現場で使う従業員にとっても使いやすいものであることが大切です。
つまり、本当に使える勤怠管理システムとは、使う人の立場になって、実際の使う場面を想定しながら本当に必要な機能だけを、バランスよく構成された勤怠管理システムのことだと言えるでしょう。
「MINAGINE勤怠管理」は、バランス型という新しい勤怠管理システムです。本当に必要な機能だけをバランスよく取り入れることができる勤怠管理システムのため、個社ごとのルールを反映し、管理者だけではなく、従業員も使いやすい設定の調整ができ、勤務実態に合わせた改善活用が可能です。個社ごとの就業規則や勤務実態に合わせてバランス良く設定調整ができるため、業務効率化とコンプライアンスを同時に実現することができるでしょう。
また、MINAGINE勤怠管理では、導入して頂いた企業様に対して、人事労務管理の知識を持ったコンサルタントが徹底的にサポートいたします。単にシステムの使い方だけをサポートするのではなく、労務管理のご相談にも対応させていただきます。さらにシステム導入後の就業ルールの変更にも対応しているため、就業規則を変更した際も安心してご利用いただくことが可能です。
勤怠管理システムの導入をご検討の企業様は、ぜひこの機会に「MINAGINE勤怠管理」をご検討ください。