昭和33年の創業以来、「義肢装具士(国家資格)」が、利用者の身体の状態に合わせた装具を制作・提供している株式会社東北補装具製作所様。足底圧計測機器を使用したインソールの製作や、3Dスキャンによる赤ちゃんの頭蓋骨を再成形するヘルメットなど、最新の技術を取り入れたサービスも行っておられます。
この度は、人事評価制度構築コンサルティングサービスを導入いただいたきっかけや決め手などをお話いただきました。

職能給が出来高で、営業先の選定や仕事の選り好みをすることが課題だった

人事評価制度導入前の人事評価はどのように行っていたのでしょうか?また、当時の課題や状況について教えてください。

導入前は基本給と職能給に分かれ、基本給は経験年数に応じて年功的に昇給していく仕組みで、職能給は出来高にて積算して支給していました。出来高が営業先の規模や仕事内容により左右されるため、営業先の選定や仕事の選り好みをすることが課題になっていました。そうした仕組みの不公平さから「出来高ではなく、能力や成果を評価してほしい」との要望が社員からあがっていました。特に若い社員からの要望が多く、ライフワークバランスの考え方も以前とは異なることを感じており人事評価制度の導入を決めました。

サービス検討プロセスについて教えてください。

当初は自社構築ができないか検討しましたが、弊社のような特殊な業種や規模感を考えた時に参考となる情報が少なかったこともあり断念しました。そこで社会保険労務士さんに相談したところ、中小企業を専門とした人事評価制度の構築支援をおこなっている会社があるということでミナジンさんを紹介していただきました。

社労士のプロの視点で見ても信頼に値するという判断があったのが最大の決め手

ミナジンに選定いただいた決め手を教えてください。

サービス提案の場には毎回社労士さんに同席してもらっておりまして、社労士というプロの視点で見ても信頼に値するという判断をしていただいたという点が最大の決め手でした。また、弊社のような中小規模の会社を対象とした人事評価制度の支援をおこなっているとのことで、弊社にフィットした人事評価制度をご提案いただけると考え、依頼することに決めました。

評価制度導入中におけるコンサルタントの対応はいかがでしたか?また、コンサルタントとのやりとりの中で印象的だったエピソードがあれば教えてください。

わからないことにも丁寧に対応いただき大変助かりました。他社様の事例に基づいた説明が実際に導入していく上でイメージを持ちやすく、実際に社員との面談や評価を行う際に参考になりました。また私どもで判断が付きにくく意見が別れる評価や賃金などの問い掛けに対しても、倫理観に基づいた適切かつフラットな助言をいただいたことが印象に残っています。
義肢装具の製造という特殊な業種であるということと、社員の多くは職人気質の方が多いので、そういった性質をちゃんと理解していただいた上で、どういう仕組みにしたら社員に納得してもらえるのかというところまで落とし込んだご提案をいただけたと感じております。

人事評価制度を運用していく中で苦労したこと、また、その局面をどのように乗り越えたのかを教えてください。

変化は人にとってストレスになることですが、給与制度の変化は生活に関わることもあり受け入れに対して全員(特に在籍年数が長い社員)の了承を得ること、評価制度自体を理解してもらうことに難渋しました。また運用中も目標の設定から自己評価など今まで行っていない作業をやることに仕事が増えたと感じている社員は一定おり、定着するまでには一定期間は必要だと感じています。重要なのは何度説明しても十分だということはないと考え、こまめな声掛けと質問があった際には丁寧に説明をすることを徹底して行い、人事評価のサイクルに慣れてもらいながら少しずつ変化を受け入れていってもらっています。

前向きなコミュニケーションが社内全体で増加、結果として売上も上昇した

人事評価制度の導入後、どのような効果を感じていますか?

個人が目標を持ったことで仕事に対する向き合い方が変化し、評価される側と評価する側のコミュニケーションが少しずつ取れてきていると感じています。実際に中間面談や評価面談を通じて、自身のキャリアについて考えている社員が増えてきたように感じています。今回、管理職にあたる新しい役職を新設したのですが、マネジメントに興味があるという社員も出てきている一方、義肢装具士としての専門性を極めていく「専門職」という新等級に進みたいという社員も何人か出てきている状況です。
従来は個人の出来高に応じた給与体系だったために、業務の多くは個人で完結しがちだったのですが、目標が評価に反映されるようになってからは、在籍の長い社員が部下や新人に積極的に教育やアドバイスを行うようになったり、課題解決のための提案が社員の方から出てくるようになるなど、前向きなコミュニケーションが社内全体で増えてきたように感じています。結果として会社の売上も上がってきているんです。

今後、人事評価制度を導入する企業に対してのアドバイスをお願いいたします。

企業を取り巻く環境がますます厳しくなる中、雇用もメンバーシップ型からジョブ型へと変化しようとしています。より優秀な多くの人に長く成長してもらうかが企業の成長に不可欠と感じます。そのためには企業と労働者間の納得の行く評価が必要となります。ミナジンの人事評価制度構築コンサルティングサービスを利用し自社に適した制度を構築することが重要だと感じております。