データサイエンスを軸に事業を展開されているINSIGHT LAB株式会社は、毎年新卒採用を行い規模を拡大されています。
規模拡大に伴い、できる社員がフラットに評価される組織を作るため、人事制度を導入を決定。
今回、人事制度導入までの経緯や導入効果についてお伺いしました。
導入までにどんな背景・課題感をお持ちでしたか?
毎年新卒採用を行い、18年には50名を超えるまでになり、若手も増えてきています。
これまでは1on1で面談を行い、人事異動や昇給・昇格をどうするか決めていましたが、20~30名規模になってきた段階で、属人的な人事決定に限界を感じていました。
役職就任や賃金のルールが無かったので、「どうすれば給与が上がるのか、昇格するのかわからない」「年功序列の組織なのではないか」という空気があったと思います。
また、INSIGHT LABはエンジニアが約9割を占めているのですが、新卒文系が多く、どうエンジニアとして育てていくかも重要です。
何をどうやれば、エンジニアとしてステップアップできるかを見せてあげて、若手が意欲をもち働ける組織体制を作り上げることを決めました。
INSIGHT LAB株式会社 取締役社長 COO 佐藤 様
人事制度導入でどんなことを意識されていましたか?
まず、若手に対してキャリアパスを示し、挑戦意欲を持てる組織風土にすることが課題でした。
なので今後のキャリアが見えるように等級を設計。評価結果と賃金・昇格の決定を連動させ、どうすれば給与が上がるのか、昇格するのかを明確に。
さらにどの等級でもマネージャーに立候補できるようにしました。
なにをどう頑張ればキャリアが上がっていくかがわかるようになり、挑戦しやすい環境にすることができたと思います。
また、経験の浅い社員がマネージャーをすることになりますが、研修でマネージャーの役割や評価者としての考え方を伝えることができました。
研修の中で、マネージャーとしての考え方を参加者同士で共有しました。
初めての試みでしたが、考えを深める良い機会になりました。(佐藤様)
社労士の方と相談しながら、スピーディに人事制度構築を進められたのは大きかったです。
就業規則を作った経験があったので、労務知識は持っていました。ただ、人事制度は等級や賃金など、社員に深く影響を与える部分です。実際にこうした場合どういうリスクが発生するのか、そのリスクにはどう対応すればいいのか?というところで、制度構築はストップしがちだと思います。
社労士から他社事例を踏まえてアドバイスをもらえたことで、労務面を含めた具体的なリスク管理を、制度構築の段階で行うことができました。
かなりスピーディに制度構築を進められたと思います。あと、社員からも社労士と一緒に作った制度だと伝えることで安心感を持ってもらえたのではないかと感じています。(礒様)
INSIGHT LAB株式会社 執行役員 人事責任者 礒 様
導入してみての感触はいかがですか?
会話をする中で、新しい人事制度が前向きに受け止められていると感じています。年齢関係なく役職(マネージャーや部長)に立候補出来る仕組みを作った事は影響力があるのではないかと考えています。(礒様)
思い描いていた組織風土と現状がだんだん一致してきたと思います。
フラットに評価し、できる社員には良い報酬を与え、まだ至らない社員は発憤させられる体制をさらに浸透。
若い社員にもどんどん手を挙げていってもらい、組織全体の底上げを進めていきたいですね。(佐藤様)
今後の展望
目標設定については変更をしたばかりなので、目標の立て方の定着は時間がかかるのではないかと考えています。今後、評価制度の運用をしていくうちにどんな目標設定をしていくことがINSIGHT LABの目指すものとフィットしてくるか。みんなで作っていけたらと考えています。(礒様)
経験の浅い新卒社員がマネージャーになるので、評価のバラつきは多少出てくるかと思います。
マネージャーより年上のメンバーもいる状況の中、評価する側とされる側の納得感がさらに重要だと考えています。
まずは実際に運用し評価結果を出してみて、評価項目の難易度やマネージャー間の評価基準のすり合わせをしていきます。
試行錯誤していって、どんどん組織の底上げをできる風土にしていきたいですね。(佐藤様)