小売業におすすめの勤怠管理システム3選
新型コロナウイルスの影響により、どの業種においても感染症対策を行うと同時に、これまでよりもっと生産性の高い労働環境を整えることが求められているのではないでしょうか。
特に小売業の特徴として、
- アルバイトやパートなど雇用形態の異なる従業員が多い
- 完全なるテレワーク移行が難しく、誰かの店舗出勤はマスト
- 店を回すためにシフト作成に工夫が必要
といった特徴が挙げられます。
そのため全従業員のシフト・休暇管理を正確に行うことは非常に大変です。
このような勤怠管理・業務の効率化における悩みは、「勤怠管理システム」の導入で解決します。
そこで本記事では、小売業で勤怠管理システムを導入するべき理由と、必要とされる機能の面からおすすめの勤怠管理システムを3つご紹介します。
ぜひ、参考にされてください。
目次
小売業で勤怠管理システムを導入すべき理由
勤怠管理システムの導入が、どのように小売業の勤怠管理業務の軽減や効率化に繋がるのか、疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで勤怠管理システムの導入によって得られる、小売業において考えられる主なメリットを下記の3つに絞って解説します。
- シフト作成が簡単になる
- 休暇管理にかかる手間を省ける
- 不正打刻を防げる
1.シフト作成が簡単になる
小売業では店舗で接客する従業員をアルバイトとして雇う場合が多くありますが、基本的に毎月固定で同じ時間にシフトを固定できません。
それぞれの従業員から希望の出勤日・時間の希望を集計して、都度組んでいく必要があるからです。
しかしながらシフトはただ組むのではなく、経験のある人や責任者がどの時間帯にも1人は稼働できるような組み合わせにしたり、忙しい時間帯に配慮して人員を調整するなど、それなりの工夫も大切です。
そこで勤怠管理システムを導入することで、シフトパターンを設定してシフト作成をある程度自動化することができます。管理者側がシフト管理に要する労力を削減し、さらに他の業務に集中できるため効率化も期待できます。
2.休暇管理にかかる手間を省ける
労働基準法第39条によると、正社員のみにかかわらずアルバイトやパートであっても、一定の条件を満たした労働者には有給休暇取得の義務があります。
有給休暇を取得するのは労働者側ですが、きちんとこの義務を果たせていない場合に罰則を受けるのは企業側です。
法律違反を回避するためにも従業員の年次有給休暇はしっかりと管理する必要がありますが、雇用形態や週所定日数のそれぞれ異なる従業員に対する有給付与をエクセルなどで管理するのは、非常に手間がかかる上にヒューマンエラーも起きやすくなります。
また、年次有給休暇の残日数などを従業員・管理者のどちらも把握できる状態でなければ、従業員側からの有給休暇に関する問い合わせに対して、管理者側は確認作業をする必要があり大変です。
年次有給休暇の自動付与機能のある勤怠管理システムを利用することで、従業員の休暇を一元的に管理・確認し、有給取得状況の把握もしやすくなります。
3.不正打刻を防げる
アルバイトやパートを雇うことで店舗を回している場合、打刻方法に悩んでいるケースも多く見られます。
打刻方式によっては、遅刻したとき他の従業員に代わりに打刻してもらうことも可能となってしまうためです。このような代理打刻を使って出勤時間をごまかすと、出勤予定時間と実働時間に大きなずれが生まれてしまいます。
このようなことを避けるためにも、生体認証打刻や打刻した位置情報を記録できるGPS打刻機能を備えた勤怠管理システムの活用がおすすめです。
小売業の勤怠管理に必要な4つの機能
小売業ではアルバイト雇用が多いなどの勤怠の特徴から、不正打刻やシフト管理における勤怠管理の課題が生まれやすい一方、勤怠管理システムを導入することで解決できること場合もあります。
そこで小売業で勤怠管理システムを導入する際、特に必要だと考えられる主な機能として、
- シフト管理機能
- 年次有給休暇の自動付与機能
- 多様な打刻方式
- 残業の管理機能
以上の4点が備わっているかどうかを考えることをおすすめします。
1.シフト管理機能
シフト管理機能とは、従業員が各々の出勤日・時間の希望を直接入力することで、管理者がその内容をもとにシフト登録ができる機能です。
本来、従業員から個別に集めなくてはならないシフトの希望日と確定シフトを、同じシステム上で管理できます。
さらに、シフトパターンの曜日・時間が固定の従業員に対しては、設定次第でシフト作成も自動化できます。シフト管理機能を自社の就業規定に基づいてパターン化させシステムの設定に落とし込むことで、シフト管理における管理者の負担を減らしましょう。
2.年次有給休暇の自動付与機能
企業は労働者に対して有給休暇を年5日取得させなければ、労働基準法の第39条7に反し、同法の第120条により、労働者1人につき30万円未満の罰金が科せられてしまいます。
そこで週の所定日数によって決まっている有給休暇を自動で付与する機能を利用することで、有給休暇取得義務への違反を回避しつつ、管理の手間を省くことができます。
また、アルバイト・パートなど週の所定日数が定まっていない従業員に対して、勤務実績や出勤予定日数から判断して自動的に有給を付与する機能があれば、有給を取得させる管理者側にとってさらに便利になります。
有給休暇付与も自動化することで手間を省くだけではなく法律違反も防ぎ、休暇日数の管理におけるミスもなくすことができます。
年次有給休暇を確実に労働者に取得してもらう方法について知りたい方は別記事「有給休暇の基準日がわかる!確実に年5日の有給休暇を取らせる3つの方法」も合わせてご覧ください。
3.多様な打刻方式
不正打刻を防ぐための対策として、以下のような打刻方式が考えられます。
- 生体認証打刻(指紋認証・顔認証)
- 交通系ICカード打刻
- GPS打刻
これらの打刻方式であれば本人確認が確実に行えるため、不正防止には効果的です。
どの打刻方式が最も自社にぴったりか、それぞれのメリット・デメリットやコストに着目した比較・検討を行うことで便利な打刻方式を選びましょう。
4.残業の管理機能
残業を行った場合は通常の賃金ではなく割増で給料の支払いを行う必要がありますが、この時間管理が難しいのも小売業の特徴として挙げられます。
残業代を正確に支払う・残業時間管理に必要な機能として、残業申請が挙げられます。この機能ではシステム上で時間外労働の時間を管理者に申請し、承認してもらうことができます。
残業時間の正確な把握につながるとともに、無駄な残業を削減させることにもなるため、残業を管理できるかどうかも欲しい機能の一つです。
残業申請や適切な残業時間の管理方法について詳しく知りたい方は別記事「残業申請のルールと運用で失敗しない!適切な残業時間管理の鍵」も合わせてご覧ください。
小売業におすすめの勤怠管理システム3選
小売業における勤怠管理の課題から特に必要な機能を4つに絞り、その機能の面で考えられるおすすめな勤怠管理システムの以下3つを紹介します。
- MINAGINE勤怠管理
- スマレジ勤怠
- ジョブカン
1.MINAGINE勤怠管理
出典:MINAGINE
「MINAGINE勤怠管理」は人事労務のプロフェッショナル集団が開発したコンプライアンスに強い勤怠管理システムです。
シフト管理機能 | ○ |
---|---|
年次有給休暇自動付与機能 | ○ |
打刻方式 (生体認証/ICカード) | ×/○ |
残業管理機能 | ○ |
シフト管理機能
シフト管理機能では、シフトパターンの設定が可能です。固定勤務の社員のシフトを自動で更新させることができ、アルバイトやパートなど月によって勤務日数や出勤曜日が異なるイレギュラー勤務の場合でも出勤登録・変更が簡単に反映できます。
年次有給休暇自動付与機能
有給休暇の自動付与に加えて、登録した休暇全てに関して有給の付与日
- 有効期限
- 付与日数
- 使用日数
- 有給残日数
の全てを一覧で表示できるため、従業員・管理者の双方がいつでも確認し、必要であれば有給休暇の取得を事前に促すことができます。
週の所定日数が定まっていない従業員に対しても、年間の勤務予定日数・勤務実績に応じて有給休暇を自動付与することも可能です。
打刻方式
そして労働時間管理の要となる打刻方式は、ICカード打刻に加えてPC・ピットタッチ・Slack打刻・スマートフォンなどを利用した様々な種類があります。またスマートフォンを利用した打刻であれば、アプリ機能の利用もおすすめです。
アプリではどこでいつ打刻したかを記録するGPS打刻が利用可能です。またブラウザに比べて操作をスマートフォンで行うことが前提として設計されているため、画面が見やすく誰でも簡単に操作できます。
残業管理機能
残業時間の承認漏れを防ぎつつ、残業時間の正確な管理を行うことができます。残業申請がされていない時間に稼働報告が出された場合は、自動で通知が送られるアラート機能もあります。
このようにMINAGINE勤怠管理は、業務の効率化だけでなくコンプライアンスも万全にできるため、どちらも実現したいと考えている場合におすすめです。
2.スマレジ勤怠
「スマレジ・タイムカード」は給与計算・日報管理・プロジェクト管理など、勤怠管理以外の様々な管理も一つのツールで一元管理できる勤怠管理システムです。
シフト管理機能 | ○ |
---|---|
年次有給休暇自動付与機能 | △ |
打刻方式 (生体認証/ICカード) | ○/× |
残業管理機能 | ○ |
年次有給休暇の自動付与機能に関して、週の所定日数が定まっていない従業員に対して勤務実績から判断して自動付与することはできませんが、週の所定日数が定まっている従業員に対しては可能です。
また、特徴的なのが打刻方式で、不正防止のための機能を備えた打刻方式の種類が豊富にあります。パスコードの入力やGPS打刻、さらに顔写真撮影による顔認証打刻があり、さらに笑顔を検出するというユニークな機能があります。
不正打刻に頭を悩ませている企業に役立つでしょう。
▼サービス詳細
スマレジ勤怠
3.ジョブカン
「ジョブカン」は勤怠管理業務に必要な機能を備え、かつシンプルな操作性であるため初めてシステムを利用する場合でもすぐに使い始めることができることに特長があります。
シフト管理機能 | ○ |
---|---|
年次有給休暇自動付与機能 | ○ |
打刻方式 (生体認証/ICカード) | ○/○ |
残業管理機能 | ○ |
シフト管理機能に関して、シフトに穴がある場合や人員不足の場合に、シフト募集のメールをシステム上で従業員に送信できます。シフト変更の多い小売業にとって便利な機能です。
また、1日の稼働時間を視覚的に確認できるライン表示形式での出勤予定表の作成も可能で、シフト管理がさらに簡単になります。
さらに外国語表示も可能で英語、韓国語、タイ語、ベトナム語への切り替えができるため、外国人従業員を多く雇っている店舗にもおすすめです。
▼サービス詳細
ジョブカン
小売業におすすめの3種の勤怠管理システムとあわせて、より多くのシステムを比較検討の要素に入れたいとお考えのご担当者さま向けに、22種を一気にご覧いただけるページがございます。こちらの記事では厳選した22種の勤怠管理システムの各特徴や強みをまとめて紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ|勤怠管理システムの導入で勤怠管理の不安をなくそう
本記事では、小売業の勤怠管理の特徴から考えられる、勤怠管理システムを導入するメリットや必要な機能、さらにそれらを踏まえた小売業におすすめの勤怠管理システムを3つ紹介しました。
勤怠管理システムを導入することで、勤怠管理における課題解決のみならず、リアルタイムで勤怠を把握できることやシステムによる業務の自動化のメリットが得られます。
先行きが不安な状況でこそ、小さな不安を取り除いていくことが大切になってきます。本記事を参考に小売業向けの勤怠管理システムの導入をご検討していただければ幸いです。