※2019年1月24日取材

株式会社郵便局物販サービス様。以前から36協定などコンプライアンスの遵守を徹底してきたという同社ですが、勤怠管理を紙で行っていたため、申告内容と実態のずれを総務部で把握しにくいという課題がありました。また業務をデジタルで効率化したいという思いもあり、MINAGINE就業管理を導入していただきました。

その結果、業務効率化で勤怠締め時間の短縮ができただけでなく、勤怠状況の見える化により、社員の時間管理意識の変化が出たといいます。紙からデジタルへの移行を成功させたポイントはどこにあったのでしょうか。

株式会社郵便物販サービス 執行役員 片岡聡氏、総務部マネジャーの宮本美弥子氏、情報システム部チーフの森田昌弘氏、グループ会社のJP三越マーチャンダイジング 総務部マネジャーの岩崎昌子氏にお話を伺いしました。

*文中では宮本氏、岩崎氏のお話は「総務」森田氏のお話は「情シス」と記載しています。

コンプライアンスをさらに強化するために勤怠管理をシステム化

勤怠管理を楽にしたい人事担当者様へ

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——MINAGINE就業管理を導入した経緯について教えてください。

総務:弊社では長い間、紙で勤怠管理を行なっていたのですが、それを「システム化しよう」という話が社内で出たのがきっかけです。

——紙での管理にはどんな課題があったのでしょう。

総務:今まで勤怠については、社員本人が集計し、事業所でチェックをしてから総務部へ提出するという流れで管理していました。有給管理も付与から申請管理まで各事業所でやっており庶務担当者の負担が大きくなっていました。また、どうしても申告内容と実態が違ってしまうこともあり、残業時間についても総務部では確認できないため、本人の申告を信じるしかありません。なにしろ総務では一カ月たたないと社員の勤務状況がわからず、途中のチェックができない状態でいました。

——たしかに紙だけでは、勤怠の実態を完全に把握することは難しいと思います。残業の過少申告などの可能性もありますよね。

総務:おっしゃる通りです。弊社では残業時間の削減を進めており、36協定を遵守しています。22時以降の残業は禁止していますし、以前から上長には36協定を守るよう呼びかけていました。総務ではパソコンのログで残業の過少申告がないかサンプルチェックしていました。残業の過少申告があるとしたら、それは当然大きな問題です。形式的なコンプライアンスではなく、しっかり実態を伴うためには、過少申告がないようしっかり対応する必要性がありました。

——紙で管理されていた頃から36協定については厳しく管理されていたのですね。

総務:はい。システム化したことで遵守できるようになったのではなく、以前から遵守していたコンプライアンスをより強化するための取り組みとして、システム化を取り入れたということです。また他にも、「業務を効率化したい」という思いもありました。以前は勤怠を締めるとなると、各部署の庶務担当がまず一人で3日間かけて集計し、それをさらに総務が6名全員総動員でチェックしていました。その作業に3日はかかっていました。システム化することで、これを少しでも効率化できればと考えたのです。

低いコストで当社独自の課題を解決できる幅の広さが魅力

——さまざまな勤怠管理システムがあるなかで、なぜMINAGINE就業管理を選んでいただいたのでしょうか。

総務:いくつかの会社のサービスを検討し、デモなども受けたのですが、帯に短し襷に長しでなかなかフィットするものがありませんでした。そんな折、ミナジンさんにプレゼンしていただき、フィットすると感じて、”MINAGINE就業管理”を選びました。

——他社製品はフィットしなかったとのことですが、それらとMINAGINE就業管理の違いは何だったのでしょうか。

総務:操作画面などがわかりやすく、使いやすかったこと。しかし、一番はMINAGINE就業管理でしか実現しないことがあり、それでいてコストが他社よりも抑えられることなどがMINAGINE就業管理を選んだ理由です。例えば、残業の過少申告をなくすため、PCのログオンログオフデータを日々の打刻とは別に管理でき、ギャップを把握できることが大きかったです。

ログイン・ログオフのデータが管理できる画面。日々の打刻とは別に管理できる。

また、かなり細かいポイントなのですが、大きな決め手になったのは有給の3年繰り越し機能です。他社製品は繰り越せるのが2年までというものがほとんどだったので、とても役立っています。

有給休暇の繰り越し機能の画面。この設定をするだけで全従業員に自動的に反映できる。

情シス:情シスの立場からは、出向者の勤怠管理が細かく設定してできることや、カスタマイズの幅の広さが好印象でした。夜間のバッチ機能もとても便利です。

最初の3ヶ月は紙との並行稼動で習慣付けを実施

——御社ではシステムの本稼働開始後初月から3営業日で勤怠が締まっていました。御社の規模(約500人)ではそんなことは珍しく、当社のサポート担当者も驚いています。準備期間は大変ではなかったでしょうか。

総務:プロパー社員には紙文化でやってきた人が多いのですが、中途採用で入社した社員は前職でデジタルを使いこなしていた人も多く、システム化にはまったく抵抗がなかったようです。また、各部門の上長も協力的でした。そうはいっても、やはり最初は戸惑う持つ人もいたようで、特に「上長だけが大変になる」という気持ちもあったようです。慣れるまではうまく承認できないというケースもありました。そこで上長や一般の社員向けの説明会を何度も実施し、まずは打刻に慣れてもらうことから始めました。最初の3ヶ月間は紙とシステムの並行稼動期間とし、習慣付けを行いました。日頃から上長やキーマンには声をかけ、「打刻して下さい。」という張り紙を壁に貼ったりもしましたね(笑)。

情シス:その中でも特に大変だったのは、マニュアルの作成ですね。また、イレギュラーなケースはテスト期間で出しきれない部分もあると思いました。システムだからこその申請のしやすさが想定しない登録につながることもあり、逆にそういうケースもあるんだなと気付かされました。

総務:紙のときはどんな内容で申請が来ても総務で判断できるので、何とでもなるところはありましたからね。システム化すると、判断するのはシステムですから。上長の承認業務の習慣化のために、よくある質問をQ&Aにして配ったり、未承認リストをメールで送って、承認の期限厳守は並行期間も強くお願いしました。

——システムの導入がうまくいったのは、総務の方や情シスの方のサポートが大きかったのですね。

総務:ミナジンのサポート担当者の方のおかげでもあります。というのも、これまではアナログな処理だったからこそ曖昧に対応できていた面もあったのですが、デジタルは融通をきかせることができません。ですから、システム化するとなると正確な就業規則に基づいて機能をカスタマイズしていく必要があります。そこで改めて就業規則を読み込んで内容を確認し、それをシステムで管理できるよう細かく要望を出させていただきました。その作業に導入担当の草場さんとエンジニアの佐井さんが嫌な顔ひとつせずに付き合ってくださったので、本当に助かりました。

情シス:情シスという立場からすると、ミナジンさんのことがちょっと心配になるくらいでした(笑)。特に利用者の作業負担を減らす観点から色々要望をしましたが、他のベンダーではまず断られるだろうという要望にも応えていただき、パッケージサービスとしての懐の深さを感じました。システム導入に際して業務フローをまとめましたが、おかげで希望通りのシステム設定になったと思います。

締め時の残業がなくなり、勤怠管理に対する社員の意識も向上

——MINAGINE就業管理の導入で業務はどのように変わりましたか?

総務:期待していた通りの効果が出ています。これまで各部門の庶務担当者に任せきりになっていたところについても、システムで自分でも見られるようになり、日々承認する形にすることで、上長が承認しやすくなっただけでなく、勤怠管理に対する意識が向上していると感じます。紙の場合は仮に間違っていても、ハンコは押せるので承認できてしまいます。それが今はシステムになり、間違っている場合はエラーが出て承認できません。おかげで形式的にハンコを押して承認するのではなく、中身までしっかりと目を通してから承認するようになりました。上長からは「勤怠をきちんとチェックしたいからPCのログデータを見たい」という希望まで出てくるようになり、労務管理上も良い変化が表れていると思います。そういった上長の時間管理意識の変化が部下への仕事の割振りの見直しにつながったりもしていて、部下の社員にとっても「気にかけてもらっているかは」はとても大きいと思います。

——業務が減る以上に労務管理上大きな変化ですね。課題とされていた締めの作業は改善しましたか?

総務:締め時の残業がなくなりました。弊社は物販サービス部門が全国に13の拠点を持っており、以前は各地の事業所から勤怠の用紙が本社の総務宛に送られてきていました。それが揃うまでにもかなり時間を取られて、3営業日で勤怠を締めるルールを守れない事業所があったのですが、今はMINAGINE就業管理でクラウドで管理可能なので、同じタイミングで楽に締めることができるようになりました。

——大きな効率化ですね。

総務:また、36協定と有給取得率の管理データ作成が手作業でなくなったことで、スピードも大きく上がりました。月1回おこなう部長会にデータを提出しているのですが、これまではどうしても間に合いませんでした。それがシステム化したことで間に合うようになり、また紙では不可能だった集計データも出せるようになりました。今後はそういったデータも活用していきたいと考えています。

MINAGINE就業管理で働き方改革を推進し、若手からも喜びの声

——勤怠管理がより徹底されたことで、社員の皆さんの働き方に良い影響などはありましたか?

総務:働き方改革という観点でも大きな効果があったと感じています。もともと弊社は社長が長時間労働の是正を打ち出しており、ポスターで啓発するなど意識改革をおこなっていた最中でした。仕事だけでなくプライベートの充実も大事にするようにメッセージを出し、全社集会で余暇の過ごし方を発表したりしています。水曜と金曜はノー残業デーにしており、社員も「やってみると意外と帰れるものなんだな」と感じているようです。今回のMINAGINE就業管理の導入は、そうした働き方改革をより一層推進できるものだったと実感しています。実際、若手社員からも帰りやすくなったとの声が上がっています。

——今後の労務管理の方針や展望について教えてください。

総務:サービス残業が陰でおこなわれていないかについては引き続きしっかり確認していきたいと思います。また、弊社は年40時間の時間休暇がとれるのですが、その残時間が本人にはわからない状態なので、今後は消化状況が把握できるようになればいいですね。また、個社別のマニュアルを作るのが大変だったので、そういったサポートも充実していただければと思います。

——いただいたご意見をもとにMINAGINE就業管理をさらにより良いシステムにしていきます。本日はありがとうございました。

(編集後記)

郵便局物販サービス様の勤怠システム導入がスタートからうまくいった背景には、並行期間を長くとって社員への浸透を図ったこと、システム導入作業により明らかになった就業ルールの細かい問題をあいまいにせず、全体的なルール見直しを行ったうえでシステムの設定を行ったことがありました。そのことが、勤怠システム導入が業務効率化だけに終わらず、社員の時間管理意識の向上につながっていったと思います。
そして、何より、執行役員の片岡氏はじめ経営陣が意思統一して残業の抑制やしっかり休暇をとり、コンプライアンスも遵守する方針を出していることで、総務部門も迷いなく課題に取り組み、「見えていないことに責任はない」という形式的になコンプライアンスではなく、実態に踏み込んで社員の働く環境を作ろうとされている姿が印象的でした。