勤怠管理はエクセルで十分?勤怠管理システムを導入すべき場合とおすすめツール

人事・労務担当者の業務のひとつである「勤怠管理」。初期費用を押さえるために、エクセルで従業員の出退勤などを管理している企業も少なくないと思います。

しかし、エクセルでの勤怠管理を行うより、勤怠管理システムを導入した方が多数のメリットをあるのをご存知でしょうか?

実は、勤怠管理システムを導入することで、

  • 適切な勤怠管理
  • 法令順守
  • 業務効率の改善(人事部の工数削減)

を実現することが可能です。

そこで本記事では、なぜエクセルではなく勤怠管理システムを導入するべきかを詳しく解説していきます。

「エクセルでの勤怠管理は費用がかからないけど大変」「勤怠管理システムに興味はあるけど、メリットがわからない」という悩みを解決するヒントになると思うので、ぜひ最後までご一読ください。

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勤怠管理システムを導入すべき3つの理由

エクセルで勤怠管理を行うことは、決して不可能ではありません。しかし、勤怠管理システムを導入した方が、多くのメリットを享受できることも事実です。
そこでまずは、勤怠管理システムを導入すべき理由について、下記3点をお伝えしていきます。

  • エクセルで対応できない機能がある
  • システムの変更をする時に手間がかからない
  • 厚生労働省が定める勤怠記録の方法に適している

それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。

1.エクセルで対応できない機能がある

エクセルの勤怠管理では、手動もしくは口頭で管理せざるを得ない機能が、以下の通り2つあります。

  • 残業や年次有給休暇など各種休暇の申請・承認
  • 年次有給休暇の付与・喪失

エクセルの場合は、残業や年休などの休暇については、従業員が上長に申請し、確認と承認をしてもらわなくてはいけません。どうしても、口頭もしくは申請用紙を用いて行う必要が発生してしまいます。

データ集計作業が手入力の場合は、思いもよらぬところで人的ミスが発生する可能性も否定できません。
また、従業員が勝手に年休を追加するなどの不正が起きるおそれも否めないでしょう。

一方で勤怠管理システムでは、これらを自動管理できる機能が備わっています。

入社日と勤務実績・勤続年数に応じた有給休暇の自動付与や、消失される年次有給休暇の処理など、エクセル管理の場合は従業員自身で行う必要のある作業を、自動的に管理することができます。

2.システムの変更をする時に手間がかからない

組織変更や労働基準法などの変更があった際に、適切に勤怠管理を行うためには、エクセルの数式等の変更は必須です。
さらにエクセルの場合は、この表や数式の変更を手動で行うため、手間がかかってしまいます。

また、手動での変更はミスが発生するおそれもあります。ミスがないかダブルチェックを行うなど、大幅に時間がかかりやすいので、残業を発生させてしまう原因にもなり得ます。

その点、勤怠管理システムであれば、ボタン1つで設定の変更が可能です。不安な場合は、勤怠管理システムのカスタマーサービスに問い合わせられるので、スムーズに変更処理を進めることができます。

3.厚生労働省が定める勤怠記録の方法に適している

2019年4月の働き方改革に伴う法改正によって、従業員の労働時間を適性に記録し、保管することが義務づけられました。労働基準法第4章が適用される、すべての企業が対象となります。

厚生労働省が発行したガイドラインでは、下記のように定められています。

  • 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
  • タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。

引用:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準

厚生労働省が定めているように、上記記述の「使用者」にあたる管理職の方が従業員の労働時間を確認し、ICカードやパソコンでの記録など、客観的な記録を残すことが大切です。

また「客観的な記録」とは、以下の要素を満たしていることが求められます。

  • 記録が自分で改ざんできない方式であること
  • 自分の出退勤記録が正しいことが第3者によって視認されている

エクセルで勤怠管理を行う場合は、管理職の方が見ていない間に従業員によって勤怠記録が改ざんされるおそれも、残念ながら否めません。また、申請・承認のフローを行えないため、出退勤記録が正しいと管理職の方が確実に視認するのは困難です。

一方で勤怠管理システムでは、必ず従業員本人でなければ打刻できないICカード打刻や打刻した位置がわかるGPS打刻などの機能が搭載されているので、記録の改ざんはできません。

また、厚生労働省が推奨するICカードやパソコンなどの客観的な記録に値するので、法令を遵守も徹底できます。

エクセルでの勤怠管理に向いている企業の3つの特徴

エクセルで対応できない部分を踏まえたうえで、エクセルでの勤怠管理に向いている企業と、そうでない企業の特徴について説明します。
まずエクセルでの勤怠管理に向いている企業の特徴は、以下の通りです。

  • 時給者が多い企業
  • 従業員数が30人以下の企業
  • エクセルに詳しい従業員が人事・勤怠管理担当にいる

自社の状況に照らし合わせて、確認してみてください。

1. 時給者が多い企業

給与形態が時給制のアルバイト・パートの方が多い企業は、エクセルでの管理でも十分に対応できるケースが多いです。基本的に、「時給 × 労働時間数」で給与計算ができるので、設定する数式も難しくありません。

逆に、月給者については時給者と比べ給与計算用の勤怠集計が複雑になるため、エクセルで全て計算を行うのは難しくなります。

2. 従業員数が30人以下の企業

残業や年次有給休暇の申請と承認は行えません。そのため、口頭ベースや書面での申請・確認を行っている企業もあるでしょう。

これらの確認は、従業員数が30人以下の場合は対象が少ないので、エクセルでもミスなく管理しやすでしょう。

しかし、従業員規模が30人より大きくなると、口頭での申請などでは上長や人事・労務担当者の負担が大きくなります。確認漏れが発生しやすくなり、従業員数が増えるほどエクセルでの管理はミスが発生する原因になり得るので注意しましょう。

3. エクセルに詳しい従業員が人事・勤怠管理担当にいる

勤怠管理は給与計算に関わる大事な数値で、ミスがあってはならないものです。だからこそ、エクセルで管理する場合は、エクセル操作に精通している従業員が設定を適切に行わなければなりません。

インターネット上で公開されている勤怠管理のフォーマットもありますが、自社でそのまま利用できないケースもあるため注意が必要です。

エクセルでの勤怠管理に向いていない企業の3つの特徴

次に、エクセルでの勤怠管理に向いていない企業の特徴は以下の3つです。

  • 月給制の従業員が多い企業
  • 従業員数が30人以上の企業
  • エクセルに詳しい人が勤怠管理担当の部門にいない

それぞれの内容を詳しく解説していきます。

1. 月給制の従業員が多い企業

まず、月給者については時給者と比べ、給与計算を行うための集計が複雑です。

月給制の従業員の多くが正社員雇用であるため、通常の勤怠管理に加えて、以下の内容も集計する必要があります。

  • 出張手当などの各種手当の付与
  • 厚生年金や社会保険などの控除額
  • 年次有給休暇使用日の確認

時給制で働く従業員より確認事項が増えるため、エクセルでの給与計算はミスが発生するおそれも。勤怠管理システムを用いて、自動集計・管理を行える環境を整えるとミスを防ぎつつ、スムーズに処理しやすいです。

2. 従業員数が30人以上の企業

先ほどお伝えしたように、従業員数が30人を越えるとエクセルでの勤怠管理では、上司や管理部の負担が大きくなりがちです。従業員ごとの勤怠管理エクセルを用意し、ひとつずつ確認をしなければならないので業務効率を上げにくい側面があります。

勤怠管理システムを導入することで、ひとつのシステムで全従業員の勤怠をはじめとした人事・労務業務全般をスムーズに管理しやすくなります。

3. エクセルに詳しい人が勤怠管理担当の部門にいない

エクセルでの勤怠管理は、自社のルールに合わせて関数設定などを自ら行い、集計をしなければなりません。設定を誤ると、正しい勤怠管理の集計ができず、給与の支払い金額ミスにつながります。

これらの内容に該当する場合は、勤怠管理システムを導入し、最低限の手間で確実に管理することをおすすめします。

勤怠管理ができるおすすめの無料テンプレート3選

ここまで、エクセルでの勤怠管理が向いている企業の特徴や注意点をお伝えしました。これらの内容を踏まえて、エクセルで勤怠管理を行いたい企業向けに、無料テンプレートを3つ紹介します。

使用する場合は、テンプレートをダウンロードして、自社に合わせた設定を行ったうえで活用しましょう。

1.bizocean

bizoceanのテンプレートは、残業時間、深夜時間、遅刻早退時間、休日出勤時間と幅広い計算に対応しています。主に、勤務時間が長い正社員の勤怠管理に向きです。

勤怠の欄に数字の「1」を入力すると「出勤」、「2」を入力すると「欠勤」と設定がされているので、スムーズに就業状況を入力できるよう設定されています。

▼テンプレート詳細
bizocean 勤怠管理表001

[文書]テンプレート

アルバイト・パートなど非正規雇用の従業員向けの勤怠管理表です。基本的な出退勤の打刻、残業時間・深夜時間の集計ができます。休日勤務時間と遅刻早退時間は計算できないため、注意してください。

こちらのテンプレートは、丸め処理に対応しているのが特徴です。開始時刻・終了時刻に対して、丸め処理を行っている企業におすすめします。

▼テンプレート詳細
[文書]テンプレートの無料ダウンロード

みんエク!みんなのExcelテンプレート

短時間勤務のアルバイト・パートの勤怠管理に向いているテンプレートです。1ページで日ごとの出勤予定と実働時間をまとめて管理できます。

また、交通費単価と時給を登録することで、1カ月ごとの給与支給額も計算可能です。

残業時間と深夜労働時間の集計ができないため、深夜22時~早朝5時を除いた時間の従業員の勤怠管理をしたい企業におすすめします。

▼テンプレート詳細
みんエク!みんなのExcelテンプレート

エクセルで勤怠管理をする場合の注意点とは?

以上、おすすめのエクセルテンプレートを紹介してきました。
エクセルで勤怠管理を行う場合、従業員が申告した出退勤時間・残業時間などが正しいか注意する必要があります。

エクセルでの勤怠管理は、自己申告管理となるため、申告内容が実績と合致しているかが重要です。

働き方改革の効果もあり、36協定で定められている残業上限に収めようと意識する企業は増えています。しかし、企業や上司から通知に対して実際の勤務時間よりも過少な勤務時間を報告する、もしくは残業申請をしない「サービス残業」をしてしまうおそれがあります。

長時間残業が常態化している企業は、特に注意しましょう。

エクセルから切り替えるのに適している勤怠管理システム3選

ここで改めてて、エクセルでの勤怠管理システムが向いていない企業の特徴を振り返りましょう。ポイントは次の3つでした。

  • 月給制の従業員が多い企業
  • 従業員数が30人以上の企業
  • エクセルに詳しい人が勤怠管理担当の部門にいない

これらの内容に該当する場合、また該当しなくても将来的にはエクセル管理ではなく勤怠管理システムの運用に切り替えたい企業様向けに、おすすめの勤怠管理システムを3つ紹介します。

1.MINAGINE勤怠管理


出典:MINAGINE勤怠管理

主な機能
  • 勤怠管理
  • 年休や有休、残業などの申請
  • シフト表作成
  • Web給与明細
  • 長時間労働防止のためのアラート機能
  • ストレスチェック
打刻機能の種類
  • ブラウザ上での打刻
  • パソコンのオンオフ
  • スマートフォン・タブレットからの打刻
  • ICカード
  • Slack

MINAGINE勤怠管理」は、人事労務のプロフェッショナル集団である株式会社ミナジンが開発した勤怠管理システムです。基本的な勤怠管理はもちろん、労働基準法などの法令遵守のサポートにも徹底しています。

特に、フレックス勤務や時差出勤の打刻に対応しているので、正社員の勤怠管理におすすめ。また、従業員が気持ちよく安心して働けるよう、ストレスチェック機能も搭載しているのはMINAGINEならではの特徴です。

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2.IEYASU


出典:IEYASU

主な機能
  • 勤怠管理
  • 年休や有休、残業などの申請・承認・管理
  • 日報作成
  • 社員別勤務状況のレポート作成
  • 長時間労働防止のためのアラート機能
打刻機能の種類
  • ブラウザ上での打刻
  • スマートフォン・タブレットからアプリでの打刻
  • ICカード
  • Slack
  • LINE

「勤怠管理システムのメリットはわかったけれど、やはり費用を抑えたい」と思っている少人数の企業に、IEYASUはおすすめです。

IEYASUは、従業員数10名までは継続して無料で利用できるのが特徴です。もちろん、勤怠管理だけでなく、日報作成や休暇管理も利用できます。

また、10名以上の場合や無料版にはないメールサポートなどのオプション利用できる有料
プランも3,800円~利用可能です。

▼サービス詳細
IEYASU

▼関連記事
無料版の勤怠管理システムについて、詳しくは「勤怠管理システムは無料版で良い?会社の特徴別に使うべきサービスを解説」でも解説しています。ぜひあわせてお読みください。

3.ジョブカン


出典:ジョブカン

主な機能
  • 勤怠管理
  • 年休や有休、残業などの申請
  • シフト申請・作成機能
  • 社員別勤務状況のレポート作成
  • 長時間労働防止のためのアラート機能
打刻機能の種類
  • ブラウザ上での打刻
  • タブレットからの打刻
  • ICカード
  • Slack
  • LINE
  • 指静脈打刻

ジョブカンは、10年以上に渡り、5万社以上の企業が導入してきた実績を持つ勤怠管理システムです。

下記のような便利なシフト管理機能が充実していることから、シフト制の企業には特に便利ま勤怠管理システムでしょう。

  • 従業員からの希望シフトの申請
  • 予算と照らし合わせながらシフトの作成
  • 完成したシフトの公開・確認機能
  • 対象従業員へのシフト募集メールの送信

また、日本語以外に英語をはじめ、韓国語・タイ語・ベトナム語に対応しています。

▼サービス詳細
ジョブカン

紹介したおすすめの勤怠管理システム3種の中に、自社に合いそうなシステムはありましたか?

もう少し多くの勤怠管理システムも見てみて検討したいご担当者さま向けに、一気に「22種の勤怠管理システム」を比較検討できる記事がありますので、ぜひお役立てください。

まとめ|勤怠管理システムの導入でミスなくスムーズな管理を実現しよう

エクセルでの勤怠管理は、無料で対応できるという点がメリットです。一方で、年次有給休暇や残業の申請と承認のフローを行えないというデメリットもあります。また、労働基準法や組織体制が変更になった際、エクセルの表や数式を変更するが手間がかかってしまいます。

なにより、2019年4月の法改正に伴い、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の「客観的な記録」を基礎として確認し、適正に記録することが法律によって義務付けられていいます。
しっかりと法令遵守した上で、適切に従業員の労働時間を管理するためにも、勤怠管理システムの導入をおすすめします。

いままでエクセルで勤怠管理システムを行っていた企業にとっては、いきなり勤怠管理システムの導入は不安な点もあるかもしれませんが、まずは、無料のお試し版の導入からぜひ試してみてはいかがでしょうか。

本記事が、適切な勤怠管理をスムーズに行うための参考になれば幸いです。

今の労務管理、"ちょっとまずいかも..."と思ったら

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