派遣の条件が変わる!労働者派遣法改正法11のポイント(2013年)

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2013年現在、働き方に関する法律が大きく3つ動いています。
それが、改正労働契約法、労働者派遣法改正法、
そして労働基準法(ホワイトカラー・エグゼンプション制度)です。

それぞれ、立場によって関係する法律が異なりますので、
順番にまとめていきたいと思います!

今回は労働者派遣法改正法について、
派遣会社と派遣先が注意すべきポイントをまとめてみました。

労働者派遣法改正法は2012年10月に施行されました。
この新・派遣法は派遣労働者の保護や処遇改善に重点を置いたものになります。

労働者派遣法改正法ポイント目次

※リンククリックでその詳細へ飛びます。

事業規制の強化に関するもの

1.日雇派遣(雇用契約期間が日々または30日以内)の原則禁止
2.グループ企業内派遣の規制(8割以下)
3.離職後1年以内の労働者派遣の禁止

派遣労働者の無期雇用化や待遇改善に関するもの

4.無期雇用化の促進の努力
5.派遣契約の中途解除時に講ずべき処置を明確化
6.均衡待遇の確保
7.マージン率などの情報公開の義務づけ
8.待遇に関する事項等の説明
9.雇い入れ時における派遣料金額の提示

違法派遣に対する迅速・的確な対処に関するもの

10.労働契約申込みみなし制度 (※施行は平成27年10月1日)
11.欠格事由の整備

 

1.日雇派遣(雇用契約期間が日々または30日以内)の原則禁止

日雇い派遣(30日以内の短期派遣)は原則禁止としたもの。
この日雇い派遣とは、派遣会社と派遣先の30日以内の契約は可能であるが、
派遣会社と派遣労働者の契約が不可というものです。

ただし、禁止の対象にならない例外の対象者と業務も定められました。
それが以下です。

日雇い派遣ができる例外の対象者の条件4つ

(1)60歳以上の者
(2) 雇用保険の適用を受けない学生
(3) 副業として日雇い派遣に従事する者(生業収入が500万円以上の場合)
(4)主たる生計者でない者(世帯収入が500万円以上の場合)

なお、証明に関しては、

(1) 年齢確認が可能な公的書類
(2) 学生証
(3)(4)所得証明書、源泉徴収票の写し

が必要になります。
ただし、これは必須ではなく、本人確認をしていれば良いとされています。

 

日雇い派遣ができる例外の業務

政令26業務のうち、専門性の高い17.5業務(通訳・速記・ソフトウェア開発・機械設計など)
イベントスタッフや出口調査試験監督など1日から数日で終了する業務も対象。

政令で定める26業務の一覧

以下に政令で定める26業務を一覧にしてみました!
今回規制対象外になった17.5業務は青字で示した業務になります。

1号 ソフトウェア開発の業務
2号 機械設計の業務
3号 放送機器等操作の業務
4号 放送番組等演出の業務
5号 事務用機器操作の業務
6号 通訳、翻訳、速記の業務
7号 秘書の業務 8号 ファイリングの業務
9号 調査の業務
10号 財務処理の業務
11号 貿易取引文書作成の業務
12号 デモンストレーションの業務
13号 添乗の業務
14号 建築物清掃の業務
15号 建築設備運転、点検、整備の業務
16号 案内・受付、駐車場管理等の業務(※駐車場管理が×)
17号 研究開発の業務
18号 事業の実施体制の企画、立案の業務
19号 書籍等の製作・編集の業務
20号 広告デザインの業務
21号 インテリアコーディネーターの業務
22号 アナウンサーの業務
23号 OAインストラクションの業務
24号 テレマーケティングの営業の業務
25号 セールスエンジニアの営業、金融商品の営業関係の業務
26号 放送番組等における大道具・小道具の業務

 

2.グループ企業内派遣の規制(8割以下)

グループ企業内派遣とは、大手企業が人材派遣会社として子会社を設立し、
その子会社から親会社やグループ企業の各社へ労働者派遣を行うことを言います。
今回の改正で、そのグループ企業内派遣の割合を8割以下に抑えることが義務付けられました。

また、派遣会社には事業年度終了後3ヶ月以内にグループ内企業派遣割合を報告義務が発生します。

この規制に当てはまるグループ企業とは?

(1) 派遣元事業主が連結子会社の場合(連結決算を導入している場合)
・派遣元事業主の親会社
・派遣元事業主の親会社の子会社

※ 親子関係は連結決算の範囲により判断

(2) 派遣元事業主が連結子会社でない場合(連結決算を導入していない場合)
・派遣元事業主の親会社等
・派遣元事業主の親会社の子会社等

※ 親子関係は外形基準(議決権の過半数を所有、出資金の過半数を出資など)により判断

 

3.離職後1年以内の労働者派遣の禁止

離職後1年以内に、派遣社員として元の派遣先への派遣が禁止となりました。
直接雇用の労働者を派遣社員に置き換えることで労働条件の切り下げが行われないようにしたものです。
ただし、定年退職者(60歳以上)はこの禁止に該当しません。派遣が可能です。

 

4.無期雇用への促進努力

有期雇用の派遣社員(雇用期間1年以上)の希望に応じて、
以下の3つのいずれかの措置をとることが派遣会社の努力義務となりました。

(1)期間の定めのない雇用(無期雇用)に転換する機会の提供
(2)紹介予定派遣(派遣先に正社員や契約社員などで直接雇用されることを前提に、
一定期間、派遣スタッフとして就業する形態)の対象とすることで、派遣先での直接雇用を推進
(3)無期雇用の労働者への転換を推進するための教育訓練などの実施

 - 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(第三十条)

 

5.派遣先の都合で派遣契約を解除するときに講ずべき措置

派遣先の都合により派遣契約が解除となった場合、
以下いずれかの措置をとることが派遣先に義務付けされました。

(1)派遣労働者の新たな就業機会の確保
(2)休業手当などの支払いに要する費用の負担 など

なお、派遣契約時にこれらの措置について明記する必要があります。

 

6.均衡待遇の確保

派遣労働者の賃金などの決定にあたり、同種の業務に従事する派遣先社員の賃金や福利厚生、
教育訓練などを考慮して決めるよう配慮が求められるようになりました。
派遣会社、派遣先それぞれに努力義務が発生します。

 

7.マージン率などの情報公開の義務づけ

派遣会社のマージン率や教育訓練に関する取り組み状況などの情報公開が義務化されました。
これは、労働者や派遣先事業主が適切な派遣会社を選択できるようにしたものです。

情報公開すべき項目(事業所ごと)

(1)派遣労働者数
(2)派遣先数
(3)マージン率
(4)教育訓練
(5)派遣料金平均額
(6)賃金平均額
(7)その他

上記の情報を事業年度終了後、速やかにホームページなどにより公表する必要があります。

なお、この情報公開は平成24年度10月1日以降に終了する事業年度分が対象。
たとえば3月決算の企業の場合、平成24年4月1日から平成25年3月31日までの情報を、
平成25年4月1日以降速やかに公表しなければならない、というものです。
(※ ただし、いつまでに公表しなければならないという具体的な期間は定められていません。)

 

8.待遇に関する事項等の説明

派遣会社は、雇い入れようとする派遣労働者に対し、
契約締結前に以下の3つの説明を書面などで行うことが義務付けられました。

(1)雇用された場合の賃金の見込み額や待遇に関すること
(2)派遣会社の事業運営に関すること
(3)労働者派遣制度の概要

 

9.雇い入れ時における派遣料金額の提示

派遣会社は、契約締結時、派遣開始時、派遣料金変更時に、
派遣労働者に対し、派遣料金を書面・FAX・Eメールなどによって明示することが義務化されました。
明示すべき派遣料金は以下のどちらかです。

(1)派遣労働者本人の派遣料金
(2)派遣労働者が所属する事業所における派遣料金の平均額(1人あたり)

 

10.労働契約申込みみなし制度 (※施行は平成27年10月1日)

派遣先が違法派遣と知りながら、派遣労働者を受け入れている場合、
違法が発生した時点で、派遣先が派遣労働者に対して労働契約の申込(直接雇用)をしたとみなす制度です。
クーリング期間の適用や、違法派遣かどうか、企業が違法派遣と知っていたかなど、
判断が問われる制度でもあります。
しかし、3年後に施行の制度のため、まだまだ詳細は不明というのが現状です。

 

11.欠格事由の整備(追加)

以下のケースが、「一般労働者派遣事業の許可等」に関する欠格事由に追加されました。

(1)許可を取り消された法人等の役員であった者で、
取消しの日から5年を経過しないもの

(2)許可取消等の手続が開始された後に事業廃止の届出をした者で、
届出の日から5年を経過しないもの