『若者よ、アジアのウミガメになれ』加藤順彦 著 を読んで

2016年11月25日  

何を隠そう、私自身が本著の著者加藤さんに「かき集められた」学生の一人であり、著書に出てくるリョーマなる学生企業(カルト集団?笑)の学生スタッフでした。つまり、本著に書かれている「異常な環境」に引きずり込んで頂き、その後の人生のレールを「異常な環境」へと導かれた張本人なのです。また、加藤さんが本著のベースとなる「ウミガメ講義」を神戸大学起業ゼミのゼミ生募集イベントでやって頂く様にご依頼させて頂いたのも私です。また、何をさておき、私を起業家という異常世界に導いてくださった人生の恩人であり心の師匠である加藤さんのご著書という事で、僭越ながら書評なるものを書かせて頂かない訳にはならないと思い、筆を取らせて頂きました!
 
まず、本著第1章に書かれている「環境が人間を創る」について、私の実体験からご紹介させて頂きます。16歳の時に父から「将来何をして飯を食っていくか、そろそろ決めよ」との投げかけに対し、「事業家になる!」と決めた当時高校1年の私は、事業家になる為の勉強が出来そうとの理由で、神戸大学経営学部に入学しました。本著にも書かれている様に、当時は大学に合格すれば先ず運転免許という事で、入学式前の春休みに免許を取ろうと雑誌の広告で見つけた「マイライセンス」に友人と共に申し込みに行ったのです。その時の事は今でも鮮明に覚えています。合宿免許の受付をしている時、「将来、何になりたいの?」と質問され、「事業家になりたい」と言ったところ、「ちょっと待ってなさい」と言われ、奥から出てきたのが加藤さんでした。そこから2時間、怒涛のトークでまくし立てられ、「明日から出社しなさい」となった訳です。まだ入学式にも行っていない中で、「まだ授業とかサークルとかも決めてないので、少し考えさせて」と言ったところ、「お前はだからダメなんだ!人生は、出来るか出来ないかではなく、やるかやらないかだ。お前はやるのかやらないのか、今すぐ決めろ!」と迫られ、「やります!」と答えたのです。自分自身の目標となっていた事業家への道に近づけそうと感じた事もありますが、何よりも著者加藤さんの熱量に圧倒され、カッコよいと感じた事が大きかったですね。そして、たった2時間の加藤さんの怒涛トークにより、私は異常環境への扉を開いてしまったのです。
 
 大学に入学する前、つまり、普通環境を全く知らないままリョーマという異常環境に身を投じた私は、大学1年の授業を一度も受ける事無く、毎日朝から晩までリョーマで泊まり込みで仕事をして、気が付いた時は前期試験が全て終っており、大学入学半年で留年が確定していました。これは、周りの普通の大学生と比較するとかなりの異常ですが、普通を知らずにいきなり異常な環境で大学生活をスタートさせた私にとっては、全くもって普通だったのです。何故なら、リョーマのほぼ全ての先輩たちも授業など受けておらず、留年や中退が普通だったからです。留年をした僕も「これで僕も仲間入り出来た」くらいの感覚しか持たず、笑い事にしか捉えていませんでした。完全に異常環境に洗脳され、世間様の当たり前が僕の当り前では無くなっていたのですね。
 朝から晩まで泊まり込みで働き、貰える固定給が確か2万円。あとは、完全成果報酬だったと記憶しています。しかし、不満に思ったことは一度もありませんでした。生活に困ると、当時一番流行っていたディスコの飲食チケットを貰え、リョーマメンバーはそのディスコは顔パスで入れたので、ただ飯を食えたのです。今から思えば普通ではないと思えますが、当時の僕にはそれが普通、いやむしろ、カッコ良いとさえ思えていたのです。この経験は、その後の私のキャリア形成に大いに役立ちました。つまり、楽しいとさえ感じていれば、仕事や組織そのものに意味があると感じていれば、金銭的報酬が無くてもやりがい報酬だけで一生懸命働けるんだという労働観の非常に大事な基礎を自らの中に築く事が出来た事です。
 
その後、大学2年の終わりに、私の担当するお客様が花の万博に出展される事になり、パビリオンで働く学生スタッフが足らないから集めてくれないかと言われ、リョーマの代表だった真田さんに相談したところ、「うちは広告屋であって派遣屋ではないからダメだ。お前は起業したいんだろ?自分でやれよ!」と言って下さり、翌日に起業しました。19歳の大学2年生での起業です。これも世間一般から見ると、異常かも知れませんが、当時の僕にとっては、ごく普通の事でした。リョーマ時代と同じく朝から深夜まで毎日働き、瞬く間に数億円の商売になりました。リョーマ時代の薄給は一瞬にして回収出来ました。
 
目先の利益に囚われず、楽しみながら朝から晩まで働くという労働観は、後に大企業サラリーマンを経験した際にも圧倒的に役立ちました。自分の会社を起業したものの、一度はまともな会社で勉強したいと思い、大学卒業時に某大手商社に就職しました。異常な環境しか知らなかったので、普通の環境を経験してみようと思ったのです。大企業サラリーマンは仕事を嫌な事と考えている人が大多数で、なるべく楽をしよう、自分の得(出世や給料が上がる事)にならなそうな事は極力やらないのが普通です。しかし、リョーマの異常環境が普通だった私は、給料に関係なく朝から晩まで働くことが普通だったので、自分の普通通りに行動すれば、圧倒的な成果を上げる事が出来ました。能力が高かった訳ではなく、単に人の何倍もの時間を費やしただけなのですが、これを楽しんでやれた事が勝因だったと、つまり、異常環境によって創られた異常思考が生んだ結果だったと思います。
 
 本著でも繰り返し述べられている通り、「環境が人間を創」ります。特に、若い時は自分の常識が周りの環境に大きく影響されます。将来、自分で起業したい・リーダーになりたいと思っている方は、是非とも本著を読まれ、我々の生息する『異常世界』への扉を開いてみてください。若ければ若いほど、つまり、世間の普通が自分の常識になってしまう前に、異常な環境に身を置いて頂きたいです。若いうちであれば、辛いしんどいと感じるのはほんの数か月です。しかし、世間の普通が自分の普通になってしまう年齢から異常世界に入ると、その何倍もの苦しみを潜らないといけなくなります。早ければ早いほうが良いのです。
 そして、異常な環境が普通になったら、本著の第2章に書かれているように「成長の尻馬に乗る」市場で勝負をし、更に高い志を持っているならば、第3章に書かれている「アジアのウミガメ」に自らがなるように、成長著しいアジア市場で勝負をすべきです。本著の第2第3章では、どの様にして勝負に勝つかを著者の経験を通じて、非常に分かり易く書かれており、これから勝負したいと思われている方には目から鱗の内容となっています。
  
 
最後になりましたが、本著発刊のきっかけとなったウミガメ講演について、少し触れさせて頂きます。今から6年前、私の母校神戸大学から起業家を輩出する事を目的に、『起業家ゼミ』なるゼミを神戸大学出身のベンチャー経営者達で発足しました。その際に、ゼミ生の募集イベントを開催するにあたり、真っ先に思い付いたのがリョーマであり、加藤さんでした。そこで、無理をお願いして、加藤さんにご講演を頂いたのが本著のベースとなるウミガメ講演だったのです。200名近い学生が集まり、10名ほどのゼミ1期生を採用しました。それから6年が経過しましたが、ゼミ生の大半が起業しています。ほとんどの学生はいったんは大企業に就職をしますが、学生時代に異常な価値観を身に着けており、普通の環境が物足りなくなり、起業の道を自ら選んでいっています。
 
さあ、あなたも本著『若者よ アジアのウミガメとなれ』を手に取り、こちらの異常にして至福の世界に一歩踏み出してみませんか?

電通にみる! 過重労働をめぐる問題の根本的な対策とは?

2016年11月1日  

 
新聞やテレビなどで連日報道されている、電通で起こった「過重労働が原因の過労自殺」問題。2015年の12月、電通の社員寮から投身自殺した女性社員(24歳)について、2016年の9月に三田労働基準監督署が労災(※)を認定しました。
 

※労災とは……労働災害認定の略
業務に関わること、または通勤が原因となって労働者に負傷・疾病・障害・死亡が生じた場合、事業主側に補償の義務が発生します

 
労働行政によると、過労死のボーダーラインは「時間外労働80時間(1ヵ月)」と言われていますが、自殺した女性社員の残業時間は月に100時間を超えていたとされ、その是非について様々な意見が飛び交っています。
 
過重労働が原因のトラブルから、会社や社員を守るためには、どう対策を取ればいいのでしょうか。
 
 

企業側は部下の身体的・精神的健康状態を把握する

過重労働をめぐる問題が、まず起こらないようにするには、小手先の対策だけではなく、労働に関する根本的な考え方を変えることが必要だと考えます。
 
その重要な役割は、ミドルマネージメント(中間管理職)にあります。
例えば部長など、あるチームの上にたつ人は、自分のことだけではなく部下(特に新入社員)の肉体的・精神的な状態を、よく見て把握しておくことが大切です。
 
部下の成長を見越して、”その人のキャパシティを超えそうな仕事を行ってもらいたい”としても、精神的に参っている時に「早くやれ」「もっと頑張れ」と大量の仕事を押しつけてはダメです。ネガティブになっている時、仕事に対して悩みがありそうな時は、親身になって相談を持ちかけ、その不安感を取り除いてあげなくてはいけません。
 
逆に、どれだけ仕事に対してポジティブな精神状態にあっても、40度の熱がある人に仕事をさせるわけにはいけません。
 
要は、人間の肉体・精神両方の健康状態を把握することが重要なのです。肉体的に疲れている人に肉体的に負荷をかけるような仕事量を任せるのも、精神的に疲れている人に、一層気が滅入るような言葉をかけるのも、間違いです。
 
日頃から、愛情を持って部下とコミュニケーションを取っていれば、小さな変化にすぐ気付くはすです。逆に、このような心配りができないのなら、残念ながらその人はミドルマネージメントに不向きでしょう。
 
社内カウンセラーに任せきりにしないで、自分から社員と向き合いましょう。「体調は悪くないかな」「何か思い悩んでいないかな」と思える気配りが、ミドルマネージャーには不可欠です。
 
 

勤怠管理システムで社員が過重労働しすぎていないかチェック

どのくらいの仕事量を社員は辛く感じるのか。その価値観は千差万別です。結局のところ”何時間残業しているか”は、それほど問題ではないのです。時間外労働0時間でも辛い社員がいて、残業200時間を超えても平気な社員もいます。
 
サブロク協定や就業規則など、会社内のルールをきっちり運用し、勤怠管理システム上で、決めたルールとのギャップ(超過勤務)が確認できた際に、人事部が第三者として関与して、社員との話し合いの機会を持つなどすれば、電通も社員の命を失うことはなかったかもしれません。
 
まとめると、企業の使用者は「自分たちの時代はこうだった」と主観を押し付けるのではなく、社員1人1人の肉体・精神の健康状態を考慮してあげることが必要だということです。
 
そして、労働者自身も、仕事に対する考えをいつも明瞭にしておくことが大切です。自分の目的を見失わないで「頑張りの先に何が見えるのか?」、「自分は何のために頑張っているのか?」を意識していれば、思い詰めてどうしようもなくなる前に、何か別の答えが見えてくるはずです。
 
ほんの少し、自分の内側から労働に対する意識を変えていくだけでも、過重労働をめぐるトラブルの根本的な対策につながるのではないでしょうか。
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中小企業の離職率が高い理由は収入が少ない!不満を減らす鍵は賃金規定

2016年6月29日  

従業員の定着率が悪い…。
採用するにも一苦労、仕事をやっと覚えてくれたところなのに…。
では従業員が会社を辞める時、どういった理由があるのでしょうか。

規模別転職希望理由(2007年)
※ 引用元サイト:中小企業庁
 

中小企業の離職理由の第一位は「収入が少ない」

中小企業の経営者であれば、離職率の高さに悩んだことが一度はあると思います。そんな中小企業の離職理由の第一位は「収入が少ない」というのが挙げられます。この収入が少ないという不満は入社時から不満があるケースは少ないです。なぜなら入社時に給料は明示されています。そんな中、なぜこのような不満が生まれるのでしょうか?

中小企業の賃金規定の実情

中小企業で働く労働者の多くは入社時から給料が変わっていない…というのが実情ではないでしょうか。従業員からしてみると、5年も働いたことにより「スキルも経験も身についているからそろそろ給料は上がるだろう」と期待を持ちます。

でも実際には、「賃金規定が作成されていない…」「賃金規定が明確ではない…」このような中小企業が多く、給料が上がる仕組み自体が構築されていません。「そろそろ給料あげてください。」と直談判できる一部の従業員や、退職の話が持ち上がった際に給与を上げるからと引き止めがあることで給料アップしているというのが、多くの中小企業の実情だと思います。

なぜ給料への不満は生まれるのか?

賃金への不満の理由は、社長と従業員の感覚値のギャップが原因です。
あくまで相対的な話しにはなりますが、社長の従業員への評価は厳しくなります。その反面、従業員は自分への自己評価というのは甘くなる傾向があります。社長と従業員の仕事ができるという感覚値に大きなブレが生じています。

自分としては頑張っているつもりなのに、給料があがらなければ離職のきっかけになってしまいます。とはいえ社長の立場からしてみると、なんでもかんでも給料をあげることもできません。そこで、役職や能力に応じた賃金規定や評価制度を明確にする必要があります。

中小企業にも明確な賃金規定は必要

例えば自分の給料が安いと思っている従業員がいれば、「あなたはいくらの給料が欲しいのですか?」と尋ねてみてください。「30万円は欲しい。」ということであれば、「30万欲しいのだったら〇〇な能力を身につけ、〇〇な成果を出してください。」ということが明確であれば、従業員もそこに向かって努力するはずです。問題なのは、どうやったら給料が上がるのかがわからない状態です。

そのため、この能力を持つ人間は、これだけの給与、この職務が出来るようになればこれだけの給与という、賃金規定を明確に作成し、この等級になればこれだけの給料がもらえるということが分かるようにする必要があります。

離職率が高い…と悩む中小企業の解決方法は賃金規定の作成と運用

会社としては、賃金規定を定めて、なぜ今この給料なのかを従業員に理解してもらい、どうゆう成果をあげれば昇進できるのか、給料はいくら上がるのかを示す明確な賃金規定を作成し、評価制度とともにしっかりと管理・運用することで「中小企業の離職率が高い」という問題の根本を解決することができます。
 

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