テレワークの問題点は何か?導入前の検証とルール作りが大切

政府は日本全体の労働環境改善のため、働き方改革を進めています。その一環として総務省が平成27年度から導入を推し進めているのがテレワークです。テレワークを導入することで、柔軟な働き方が可能になり、現在よりも仕事で活躍できる人が増えることが期待できます。
しかし、テレワークを導入するにあたって、注意しなければならないことも多いです。ここでは、テレワークの問題点について解説していきます。

テレワーク導入に係る問題点

テレワークというのは、離れた場所で行う仕事のことを指します。仕事は通常、オフィスなど職場で行うことが多いでしょう。これに対しテレワークは、職場以外の場所。例えば自宅や喫茶店などで行います。主にパソコンを使って行う仕事の場合には、手元にノートパソコンがあればオフィス以外の場所でもできることが多いです。

そんなテレワークには主に2つの形態があります。1つはテレワークを行う人が個人事業主で、会社は仕事を外注するようなケースです。この場合には、テレワークを行う人と会社との間に雇用関係はありません。そして、もう1つは、会社が社員として雇っている人にテレワークの仕事に従事させるケースです。

場合によっては、会社員でもオフィス以外の場所でやった方が、能率的に仕事を進められることもあります。
怪我や家庭の事情、妊娠や育児、自然災害などにより、出社するのが困難な場合に、出社できなくても仕事そのものは問題なくこなせるというケースです。仕事を休んでしまえば、その分だけ他の同僚や上司に負担がかかってしまいますが、テレワークで仕事を行えればそのような心配がなくなります。
このようなメリットから、既に一部の企業ではテレワークを導入済みのところもあり、働き方改革の影響で今後はさらに多くの企業の間で広まりをみせていくでしょう。

しかし、会社は社員の労務管理を行わなければならないため、テレワークでは本人がオフィスにいないため、労務管理をどのようにするのか?が大きな問題点として挙げられます。本当に仕事をしているかどうかをチェックできる体制が必要です。中には上司が見ていないということで、遊んでいたりダラダラしたりしてしまう人もいるかもしれません。さらに、情報漏洩防止のためセキュリティ対策なども必要でしょう。

最初から大々的にテレワークを導入しようとした場合に、上手くいかないことも出てくる可能性が高いため、最初は試験的に少人数で実施してみて、問題点が出てきたら改善していくようなやり方で進めるのが望ましいでしょう。
特に大きな問題点がなくなれば、社内全体でテレワークを導入できます。

テレワーク導入前に注意したいポイント

テレワークを導入する前に注意が必要なポイントはいくつかありますが、特に重要度が高いのは勤怠管理です。オフィスで働く社員のように出勤時間と退勤時間を記録する方法は、テレワークには合いません。テレワークに合った労働時間の算定方法を導入する必要があります。
自己申告制で労働時間を管理する方法でも対応できますが、不正のリスクもつきまとうでしょう。
そのため、みなし労働時間の導入などの対策を考えなければなりません。中抜け時間や移動時間、手待ち時間などの扱いについても決めておく必要があります。

みなし労働時間制というのは、事業場外で労働をしたときに、実際に仕事をした時間にかかわらず、一定の時間の労働をしたとみなせる制度です。一定の時間というのは、所定労働時間を当てはめるケースと業務を行うのに必要と見込まれる時間を用いるケースがあります。他に労使協定で決めた時間を当てはめることも可能です。
この場合、決められた時間より長い時間がかかってしまっても、その分の時間外労働手当は発生しません。そのため、仕事以外の用事で中抜けするような場合でも、オフィス内で仕事をする人と比べて不公平なく対処できます。
移動時間や手待ち時間などが発生する場合には、クラウド型の勤怠管理システムを導入して管理する方法でもいいでしょう。

ただ、運用の仕方によっては、長時間労働の温床になってしまう可能性もあります。育児などをしながらテレワークをする場合には、十分な労働時間を確保できず、仕事が思うように進まないケースもあるでしょう。みなし労働時間制ならば、簡単にテレワークを導入できるというわけではありません。

経費負担に関しても整理しておかなければなりませんし、自宅で仕事をする場合には、オフィスの電気代が減る分だけ、労働者個人の自宅の電気代が増えてしまいます。通信費用や自宅で使用するパソコン周辺機器の購入費用なども、考慮する必要があるでしょう。

電気代や通信費用などは仕事で使った分だけを会社に請求するというのは、実際問題難しいです。そのため、電気代などは個人負担にしている企業もあります。会社負担にする場合には、テレワークでの仕事をした時間を基準に支給すると比較的簡単に処理できます。
また、仕事で使用するパソコンは、セキュリティ管理のため会社のものを貸与するのが望ましいです。

テレワークは労働者にとって自由度が高いのが魅力的ですが、仕事の途中経過が上司や会社側に分かりづらいです。そのため、長時間労働に繋がってしまう点や、人柄や立ち振る舞いといった、仕事の結果以外の点は評価されないなどのデメリットもあります。

勤務規定と社内ルール作り

テレワークを導入する際には、導入後にどんな問題点が生じるのかを余め想定、列挙してみましょう。業種や企業によって、想定される問題点は異なります。労働時間の管理や経費負担、セキュリティ管理などの問題点は、ほとんどの企業で想定されますが、他にも問題点が見つかるかもしれません。
そして、想定される問題点を解決するために必要な項目を洗い出してみましょう。就業規則や社内規定の整備も必要です。就業規則を改正しないと対策を講じられない場合もあります。例えば、みなし労働時間制を導入するには、就業規則に根拠となる規定を置かなければなりません。テレワークでの経費負担に関しても、就業規則で定める必要があります。

問題点を可視化し、その解決のために就業規則や社内規定を整備したら、先ず、部門ごとに段階的にテレワークを導入していきましょう。最初から社内全体で導入してしまうと、想定していなかった問題点が見つかったときに、混乱してしまう可能性が高いです。実際にテレワークを導入してみて、初めて気づく問題点も沢山あるでしょう。

人事評価が難しいなどの問題点は、実際に導入してみてからでないと分からないことが多いでしょうが、企業によっては、テレワークを導入しても人事評価でさほど困らないケースもあるかもしれません。逆にオフィスで働いている社員と比べて不公平が生じてどうしようもないというケースも考えられます。
また、企業によっては、テレワークの必要性があまり高くないケースも多いです。実際にテレワークを導入してみて、デメリットの方が大きいと分かることもあるでしょう。
部門ごとに導入し、問題点を解決しながら段階的に全社的に導入を進めるというやり方が無難といえます。

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まとめ

テレワークの導入が進めば、生産性向上に期待が持てるのみならず、政府が推し進める働き方改革に寄与できます。しかし、勤怠管理や人事評価などの点で問題点も多く、就業規則の改正が必要になることから、国内企業ではなかなか導入が進んでいません。そのため、早い段階でテレワークを導入すれば、労働市場に於いて他社と差別化を図ることもできて、人材確保に役立つでしょう。